日産自動車はこのほど、2025年後半に発表が予定されている新型「日産リーフ」に関するインサイトビデオシリーズの第2弾を公開しました。この中で、3代目となる新型リーフの主要技術、特にサスペンションシステム、走行時の取り回し性能、改善された熱マネージメント機能、そしてより静かで洗練されたキャビンについて詳細が明かされています。新型リーフは、これらの技術革新により、さらなる進化を遂げています。
俊敏性と乗り心地を両立する新パワートレインと先進サスペンション
日産グローバル商品企画部門の責任者であるリチャード・カンドラー氏は、新型リーフの走りの進化について、「新型リーフは、優れた応答性と、スムーズさを洗練させ、より自信に満ちた走りを提供します。同車は、こうした性能を最大限に引き出せるように開発されました」と述べています。
新型リーフには、新開発の電動パワートレイン「3-in-1」が初めて採用されます。これは、従来は3つに分かれていた主要コンポーネント(モーター、インバーター、減速機)を一体のコンパクトなパッケージに収めたもので、現行モデルと比較して10%の小型化を実現しながら、最高出力は160kW(214ps)、最大トルクは355Nmを発揮し、力強くスムーズな加速を提供します。
リヤサスペンションは、現行モデルのトーションビーム式から全面的に変更され、マルチリンク式が採用されました。これにより、車体の横剛性が66%向上しており、高い剛性を持つCMF-EVプラットフォームと高剛性ボディ構造との相乗効果で、新型リーフの俊敏性と乗り心地が大幅に改善されています。また、新型リーフは19インチの大径ホイールを採用していますが、ラックアシストタイプの電動パワーステアリングシステムの改良により、最小回転半径を現行モデルより0.1m短縮し、5.3mを実現しています。これは、都市部での狭い道や駐車場での取り回しの良さを向上させる重要なポイントです。
新型日産リーフの洗練されたエクステリアデザイン
静かで広々とした上質なキャビン空間
新型パワートレインやサスペンションの改良に加え、新型リーフは遮音性能も大幅に改善しています。これにより、より静かで洗練されたキャビン空間が実現しました。日常的な走行速度である車速50km/h程度での静粛性は、現行モデルと比較して最大で2dB(デシベル)向上しており、車内での会話や音楽をよりクリアに楽しむことができます。
また、パワートレインの小型化に伴い、空調ユニット(HVAC)の配置も見直されました。従来の室内配置からモータールーム内へ移動させることで、室内空間の有効活用が進み、空間効率を極めた圧倒的な開放感をもたらすキャビンデザインが実現しています。
新型日産リーフのモダンで機能的なインテリア
効率を最大化する先進の熱マネージメントシステム
日産テクニカルセンターで開発を主導したチーフ・ビークル・エンジニアの磯部博樹氏は、熱マネージメントの重要性について強調しています。「開発チームの最優先事項は、熱をマネージすることによる効率化とエネルギーの無駄をなくすことでした」と述べています。
その具体的な例として、車載充電器(OBC)が充電中に発生する熱を捨てるのではなく、バッテリーを温めるために利用するシステムが挙げられます。これを可能にするために、新しい水冷式のバッテリー温調システムが採用されました。このシステムは、車載充電器などから発生する熱を効果的に回収・利用することで、特に寒冷地での充電性能や回生性能を向上させます。この先進的な熱マネージメントシステムは、バッテリー性能の効率化を徹底的に追求し、エネルギーの無駄を削減することで、結果として航続距離の延長にも貢献しています。
新型日産リーフに搭載される新電動パワートレイン「3-in-1」ユニット
新型リーフのフロントサスペンション構造
新型リーフのリヤサスペンション(マルチリンク式)の構造
新型リーフの電動パワーステアリングシステム部品
新型日産リーフのバッテリー熱マネージメントシステムの主要構成要素
結論として、新型リーフは、新開発の電動パワートレイン「3-in-1」、高度な熱マネージメントシステム、さらに進化したCMF-EVプラットフォームと改良されたマルチリンク式リヤサスペンションが一体となり、従来のモデルから大きく進化し、より洗練され、ドライバーに自信を与える走りを提供することを目指しています。これらの技術的進化は、新型リーフの魅力をさらに高める要素となるでしょう。
参考文献
- https://youtu.be/4BX8rrou7ho
- MotorFan編集部
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