あだ名は「ハンサム・ボーイ」警視庁ナンバー2は急な代役 「大川原・冤罪事件」公開謝罪で問われる反省の真剣さ


都と国にあわせて1億6600万円余の賠償

【写真】逮捕状を握り潰したのは警視庁刑事部長時代の中村格氏 その後に警察庁長官にのぼり詰めた

 会社側が都と国を訴えた裁判では、東京高等裁判所が警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認め、都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じ、今月確定。スーツの2人はこの冤罪事件の謝罪のために会社を訪問したわけだが、思わぬ“事件”が起こった。その主役が、イケメンとしても名高い警察庁キャリアである。

 この事件では、大川原正明社長と同社元取締役の島田順司さん、それに元顧問の相嶋静夫さんが逮捕され、相嶋さんは勾留中に見つかった胃がんで亡くなった(享年72)。証拠が十分でないまま容疑者を長期間勾留したうえ、そもそも事件自体が捏造だったのではないかという疑惑もあり、検証が進められている。

「ヤマモト様」

 現場になんとも微妙な空気が漂ったのは無理もない。逮捕された3人の中に「ヤマモト」という人物はおらず、事件に関係する重要人物にも見当たらないからだ。島田さんを言い間違えたと思われる。
謝罪は報道各社がカメラを構えて一部始終が公開される形で行われたが、随行の部下も気づいていないのか、誤りを指摘して耳打ちする場面もなかった。

 鎌田副総監は謝罪後に会社の前で迎えの車に乗り込む際、集まった記者の1人に名前の言い間違いを指摘され、そこで初めて気づいたことを釈明してカメラに向かって「申し訳なかった」と謝罪した。

 現場にいた記者の1人はこう話す。

「警視庁の鎌田副総監が社内で謝罪した後、東京地検の森公安部長は『島田様』と正しく名前を言っていたので言い間違いに気づくタイミングはあったはず。が、そうならなかったのは自分の役割を終えて気が抜けたのかうわの空だったのか。随行の部下も謝罪内容が書かれた原稿を持っているはずだから、すぐにメモを差し出すなりして対応させるべきだった」



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