国民民主党の公認として参院比例代表での立候補が内定していたものの、過去の言動などが問題視され、公認が取り消された山尾志桜里氏(50)。その山尾氏が7月1日に突如、参院選に東京選挙区から無所属で出馬すると表明した。同選挙区の定数は補選を含めて7。激戦が予想されていた同選挙区だが、波乱の気配も漂ってきた。
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■「非難をして勝ち上がっていく気持ちはない」
東京・吉祥寺で開かれた出馬会見。手狭な事務所に大勢の報道陣が詰めかけた。山尾氏は「中道政治を諦められない。左右の分断が進んでいるように見える今、日本の自律と国民の尊厳をしっかり両立させたい」などと述べた。会見での山尾氏の表情は明るく、時折、笑顔も見せながら記者からの質問に丁寧に答えていたのが印象的だった。
山尾氏をめぐっては5月14日、国民民主党が比例区での擁立を発表したにもかかわらず、過去の言動への批判が相次いだことや、6月10日の山尾氏の会見での説明が不十分だったことで、翌11日に公認見送りを決定。玉木雄一郎代表は「有権者や全国の仲間から十分な理解と信頼が得られないと判断した」と述べた。
一方的とも見える党の対応について山尾氏は、「統治能力に深刻な疑問を抱いている」などと批判し、離党届を出したことを明らかにしていた。
そこから一転しての、東京選挙区への無所属での出馬。そこで記者は会見で、「東京選挙区には国民民主党からも2人が立候補予定で、山尾さんの出馬で落選の可能性も高まる。リベンジの気持ちがあるのか」と尋ねてみた。
すると山尾氏は「リベンジという考えは全くありません。7人当選の可能性のある選挙です。私自身は非難をして勝ち上がっていくという、そんな選挙にする気持ちは毛頭ありません」と答えた。
一方で、無所属での出馬を玉木代表に伝えたかを聞くと、「特にしておりません」と断言し、自身の思いをにじませた。