山尾志桜里元衆院議員(50、本名・菅野志桜里)が、参議院東京都選挙区に無所属で立候補したことが、政界で注目を集めている。「悪名も含めての抜群の知名度があり、今後の展開次第では当選圏に届く可能性もある」と選挙アナリストは指摘しており、他党・政治団体の選挙戦略にも影響を及ぼす可能性がある。
激戦の東京都選挙区
今回の参院選最大の激戦区とされる東京都選挙区は、改選6議席に欠員補充1議席を加えた計7議席を巡り、32人が立候補している。現職4人(自民党1、立憲民主党2、共産党1)を含む多数の候補者が乱立する中での戦いだ。
無所属での挑戦と独自の戦略
山尾氏の陣営は、公示日に都内約1万4000カ所に設置されるポスター掲示板への貼り出しが一部にとどまるなど、準備不足が目立った。公示直前の立候補決断に加え、ポスター貼りなどを担うスタッフが限られていることが理由とされる。選挙アナリストは「主要政党だけでなく、ほとんど知名度のない政治団体でも、公示日にほぼ都内全域でポスター貼りを終えたケースもある」と指摘し、その出遅れを強調する。
この選挙区では、完全無所属での挑戦は困難との見方が一般的だ。しかし、山尾氏は「何が何でも政界復帰を目指す」という強い執念を持ち、なりふり構わず有権者への“どぶ板”街宣活動を展開している。これが一部の有権者の心に響く可能性を秘めている。前出の選挙アナリストは、「今後の展開次第では、他陣営やメディアも無視できない存在となる」との見方を示しており、多くのメディアが投開票直前まで山尾氏の動向に注目する「山尾ウォッチ」を続ける構えだ。
公示日前後の動きと第一声
山尾氏は当初、国民民主党からの公認で比例代表への出馬が内定していたが、土壇場で取り消され、出馬の機会を失いかけた。しかし、公示直前の7月1日に無所属での出馬を急遽表明。長年活動拠点としてきた吉祥寺の事務所を起点に、即座に選挙活動を開始した。
公示日の3日午後1時、JR吉祥寺駅前で行われた選挙戦第一声。集まった数十人の聴衆を前に、山尾氏はまず国民民主党との一連の経緯に言及した。「吉祥寺での第一声は予想どおりですが、無所属での第一声は予想外だった。(右でも左でもない)中道の政治を諦めることがどうしてもできなかった」と、自身の立場と無所属での出馬に至った心境を語った。
参議院選挙候補者の山尾志桜里氏がJR吉祥寺駅前で街頭演説を行う様子
今後の注目点
無所属候補として異例の挑戦を続ける山尾志桜里氏。選挙活動の遅れや困難が指摘される一方、その高い知名度と粘り強い活動が、激戦の東京都選挙区にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されている。
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