患者をほかの病院へ転院させたほうが“得”…現役医師が指摘する「高齢者医療」の深すぎる闇


 2040年には都市部は高齢者があふれ、介護が必要になった人の居場所が足りなくなりそうだが、その前にどんどん減りつつあるのが、病気の高齢者の入院先だ。この先、病院間をたらい回しになり、右往左往する高齢者が増えることになる。

 私自身、数年前から、家族ががんや脳卒中、心臓病などで入院した知人や友人から、「転院先を探しているが、先生の病院に入院させてくれないか」とか「高齢者を入院させてくれる病院はないか」という相談を受けることが多くなった。

 医療法では病院を大きく、一般病床と精神病床などに分けている。

 外見からは分かりにくいが、一般病床は、さらに、主に命に関わる病気などの治療をする高度急性期病院と急性期病院、その次の段階ともいえる亜急性期、リハビリを中心とした回復期、主に療養を目的とした病院に分けられる。

 制度が複雑過ぎて医療関係者でも分かりにくいのだが、同じ病院の中に、急性期病床、回復期病床、療養病床など複数の機能の病床を持つ病院もある。

 療養型の病院には、公的医療保険を使う医療療養型と介護保険を使う介護療養型があったが、この2つがほぼ同じような患者を受け入れていることが判明したことと、社会保険料を負担する現役世代の負担を減らす目的もあって、厚生労働省は2017年で介護療養型を廃止することを決定した。



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