参政党、TBS「報道特集」の選挙報道に抗議 「著しく公平性・中立性を欠く」と指摘

参政党は13日、公式サイトを更新し、前日12日に放送されたTBSテレビの番組「報道特集」の内容について、厳重な抗議と訂正等を求める申入書を提出したことを明らかにした。同党は、この番組内での選挙報道が「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く」と強く指摘している。

TBS「報道特集」への具体的な主張

参政党が問題視しているのは、7月12日午後6時から放送された「報道特集」の特集企画「外国人政策も争点に急浮上~参院選総力取材」だ。参政党は、この特集における番組の構成、表現、および登場人物の選定が「放送倫理に反するものである」として、TBSに対し正式な申入書を提出するに至った。公式サイトでは、国民が選挙において政党や候補者を選ぶ上で、マスメディアによる報道が非常に大きな要素であることを強調。こうした報道が意図的に偏向される事態は、日本の政治および民主主義の将来に深刻な影響を及ぼしかねないと懸念を示している。

参政党の神谷宗幣代表。TBS「報道特集」への抗議を表明。参政党の神谷宗幣代表。TBS「報道特集」への抗議を表明。

メディアの責任と民主主義への懸念

参政党は、今回のケースを単に自党が不当な偏向報道を受けた問題としてだけでなく、報道の中立性確保と、報道機関担当者のモラルが問われる重要な案件として捉えていると表明している。より良い国づくりと健全な民主政治の実現のために、有権者に対して各報道機関の姿勢を冷静かつ客観的に判断することを呼びかけた。これは、メディアが果たすべき責任と、それが民主的な意思決定に与える影響の大きさを改めて問うものと言える。

問題視された「報道特集」の内容

参政党が抗議する背景には、「報道特集」で取り上げられた具体的な内容がある。番組は参院選を控え、「争点に急浮上“外国人政策”に不安の声」と題して特集を組み、日下部正樹キャスターは冒頭で「外国人の排斥につながりかねない主張が勢いを増していることに不安を訴える声も高まっています」と述べた。番組は「日本人ファースト」を掲げ支持を伸ばしている参政党に言及し、神谷代表の演説映像とともに「“外国人が優遇されている”などと訴え、犯罪や生活保護について硬硬な主張を繰り返す」とナレーションした。また、外国人差別に詳しい識者のコメントとして、「日本人ファースト」という言葉が差別をあおる効果があると指摘し、「これは言っている側も分かってないわけない」と伝えた。さらに、人権問題に取り組む8団体が発表した緊急共同声明を紹介し、「各党が排外主義的な政策を競い合っている。外国人が優遇されているのは根拠のないデマ」だと訴えたことも報道された。参政党は、これらの番組内容が自党に対する不当な描写を含み、公平性を欠くと主張している。

結論として、参政党のTBS「報道特集」に対する抗議は、選挙期間中におけるメディア報道のあり方、特にその公平性と中立性を巡る問題を浮き彫りにしている。同党はこれを特定の政党の問題に留まらない、報道倫理に関わる広範な課題として提示し、有権者に対し報道を批判的に評価するよう促している。

出典:Yahoo!ニュース