北海道福島町ヒグマ襲撃死:OSO18超える危険性か?専門家が警鐘

北海道福島町でヒグマによる新聞配達員襲撃事件が発生し、地域に深い衝撃を与えました。犠牲者が出た後もヒグマの出没が続き、住民の不安は募るばかりです。専門家は、この地域のヒグマが持つ「気性の荒さ」と「人への無警戒さ」から、過去の著名なクマ「OSO18」をも超える危険性があると指摘。福島町のヒグマ出没の現状と専門家の分析を詳報します。

福島町を脅かすヒグマの現状と住民の恐怖:複数の個体が出没か

今月12日、新聞配達中の佐藤研樹さん(52)がヒグマに襲われ、出血性ショックで死亡しました。この痛ましい事件後も福島町ではヒグマの出没が相次いでいます。16日朝には、佐藤さんの遺体発見現場近くの草むらで新たな目撃情報があり、近くの水路にはヒグマの足跡も確認されました。福島町では少なくとも2頭のクマが活動しているとみられています。

北海道福島町の水路周辺で確認されたヒグマの足跡と見られる痕跡北海道福島町の水路周辺で確認されたヒグマの足跡と見られる痕跡

今月10日撮影の映像では、光を当てられても逃げる様子がないクマや、住宅近くを駆け抜けるクマの姿が捉えられました。さらに別の住宅の裏に設置されたカメラには、体長約1.5メートルの個体がはっきりと確認されています。自宅にクマが侵入した住民は、「震えましたね。たまたま1時間前にこの物置にいたので、あと少しで遭遇していました」と間一髪の状況を証言しました。

福島町では先月以降、少なくとも11件のヒグマ目撃情報が集中しており、その多くが市街地での出没です。鳴海清春町長は「いまだ捕獲に至っていない状況」と述べ、捕獲に向け箱罠6基を設置し、ハンターが総力を挙げて対応にあたっています。

「OSO18」を凌ぐ危険性:北海道ヒグマの地域特性と人への無関心

おととし、北海道で牛60頭以上を襲い、駆除された体長2メートルを超えるヒグマは「OSO18」と呼ばれました。当時、対策リーダーを務めた南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖前理事長は、OSO18が「人を恐れてすぐ逃げる」タイプだったのに対し、今回の福島町のクマは「人に対して逃げない」と指摘。「かなりの上の危険性を持ったクマだ」と警鐘を鳴らしています。

藤本氏によると、北海道に生息するヒグマは場所によってDNA型が異なり、習性も大きく3つに分類できるといいます。OSO18が生息していた道央のヒグマが「大型で人を避ける」傾向がある一方、福島町が位置する道南のヒグマは「小型で気性が荒い」特徴を持つとのことです。藤本氏は、道南が「以前から人身事故の多い地域」であることに触れ、「人に対して攻撃心が強いクマが多い」可能性が示唆されると語りました。


これらの状況から、福島町におけるヒグマの脅威は依然として高く、住民は最大限の警戒が必要です。特に人への警戒心が薄い個体の存在は、予期せぬ遭遇のリスクを高めます。町当局と専門家は連携し、住民の安全確保とクマの捕獲に全力を尽くしています。住民の皆様には、最新情報に注意し、単独行動を避け、クマ対策の徹底を呼びかけます。

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