8日午後1時35分頃、福岡市中央区渡辺通5の9階建てビルで、「エレベーターの部品の下敷きになった人がいる」と男性管理者から119番があった。福岡県警中央署によると、エレベーターを上下させる巻き上げ機の下敷きになるなどした男性作業員2人が病院に搬送されたが、死亡した。
同署によると、亡くなった2人は、福岡県志免町、運送会社員(52)と、同県春日市、建築会社員(51)。エレベーターの改装工事に伴う作業で、2人を含む男性作業員4人が、巻き上げ機(縦76センチ、横28センチ、高さ72センチ、重さ約900キロ)を9階から屋上へ通じる非常階段の途中にある機械室へ運んでいた。金属製の装置でつるして運搬中に落下し、下側にいた2人とともに階段を落ちたという。同署に対し、作業にあたっていた男性は「装置のバランスが崩れて落ちた」と説明しているという。同署は業務上過失致死の疑いも視野に調べる。
事故の起きたビルの7階で働く女性会社員(40歳代)は「『ドドド』という大きな音とともに建物が揺れたので、地震が起きたと思った」と振り返る。ビル内の企業に勤める男性は「エレベーターの工事があるという案内はあったが、まさかこんな事故が起きるとは……」と話した。現場は福岡市地下鉄七隈線の天神南駅から南約100メートル。渡辺通り沿いにある。