田久保真紀・伊東市長と同時期に東洋大を卒業した記者がいま思うこと


 平成4年(1992年)東洋大学法学部卒業としていた静岡・伊東市の田久保真紀市長(55)の学歴詐称問題が気になっている。同年、東洋大経営学部を卒業した私は面識こそないが、4年間、同じ大学で時間を過ごしていたことになる。

 同市長は7月2日の会見で「大学後半は、きちんとお答えできるような通学の状態ではなかった」と発言した。私も陸上部の選手寮で練習中心の生活をしていた。1、2年時にフル単位を取り、3、4年時はあまり大学に行かなくても卒業に大きな支障はなかった。

 同31日の会見では「東洋大に卒業証明書を取りに行った6月28日に、初めて卒業ではなく除籍を知った」と主張。真否は分からないが、ふと気になった。私は1、2年時の“貯金”で辛うじて卒業できたと記憶しているが、実家にあるはずの卒業証書も見当たらなかった。気になったので、大学まで卒業証明書を取りに行った。

 久しぶりに母校の空気を吸うと、懐かしく穏やかな気持ちになった。33年前、卒業がピンチの哀れな陸上部員にノートをコピーさせてくれた友人のことを思い出した。窓口で申請して待つこと15分、無事に証明書が発行され、一安心した。

 同市長が市の幹部ら周囲に見せていたという「卒業証書」とされるものは、何だったのか。穏やかな気持ちになって、記憶を呼び起こしてほしい。それが同じ東洋大で学んだ者の願いだ。(駅伝担当・竹内 達朗)

◆竹内 達朗(たけうち・たつお) 1992年入社。編集委員。東洋大で箱根駅伝に3回出場し、3回凡走。サッカー担当などを経て2014年から念願の現職。

報知新聞社



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