40歳でマンション購入、50代で独立。快眠コンシェルジュが語る「自分らしい住まい」と「人生の選択」

一人暮らしの空間は、そこに住む人の生き様を映し出します。どのような理由で住まいを選び、どんな思いでその場所を整えるのか。そこには、多様な「暮らしの哲学」が息づいています。本稿では、快眠コンシェルジュとして活躍するヨシダヨウコさん(59歳)の軌跡を辿り、40歳での横浜マンション購入、50歳での独立、そして現在の「人生の転換期」における引っ越し検討の背景にある、住まいとキャリア、そして自己実現への深い洞察に迫ります。

快眠コンシェルジュ・ヨシダヨウコさんが40歳で購入した横浜のマンションでの暮らし。50代を迎え、今後の人生設計を見据えて引っ越しを検討している様子を捉えた写真。快眠コンシェルジュ・ヨシダヨウコさんが40歳で購入した横浜のマンションでの暮らし。50代を迎え、今後の人生設計を見据えて引っ越しを検討している様子を捉えた写真。

若き日の「仕事第一」から「便利さ重視」の住まい選びへ

ヨシダヨウコさんが一人暮らしを始めたのは20歳の時。以来、30代のほとんどを会社の近くである世田谷区祖師ヶ谷大蔵で過ごしました。当時の住まい選びの基準は「便利さ」が全て。「朝早く家を出て、夜遅く帰る生活だったため、寝られればいいと思っていました」と語る通り、駅前の活気ある商店街と手頃なスーパーがある祖師ヶ谷大蔵は、多忙な彼女にとって最適な選択でした。

30代は仕事に没頭し、新しいプロジェクトへの挑戦や経済的な安定を享受。若くして部長職を経験するなど、輝かしいキャリアを築き上げました。しかし、その経験を通じて「肩書は会社の中での呼び名に過ぎない」という気づきを得ます。「重要なのは、誰と、何をやるかではないでしょうか」と、仕事における真の価値を見出すに至ったのです。

ハードワークの代償と、マンション購入がもたらした「心の拠点」

仕事優先で駆け抜けた20代、30代は、心身に大きな負担もかけました。ヨシダさん自身が「ハードワークしがちなところがある」と振り返るように、20代前半には睡眠不足から前髪が真っ白になったというエピソードも。これは周囲に「おしゃれ染め」と誤解されるほど長く続いたといいます。

そんな中、40歳で横浜に新築マンションを購入。この住まいは、彼女にとって単なる住居以上の「大切な拠点」となり、暮らしの心地よさを育む場所となりました。28年間の出版業界でのキャリアを経て、50歳で早期退職制度を利用し独立。「眠り」を軸に、企業研修や個人相談、執筆活動を行う快眠コンシェルジュとして、セカンドキャリアを切り開きました。

50代での独立、そして「第二の人生」を見据えた新たな引っ越し

50代を迎え、キャリアを転換し、自分らしい働き方を実現したヨシダさん。しかし、現在の59歳という年齢を「人生の節目」と捉え、再び引っ越しを検討しています。これは、若い頃の「便利さ」や「仕事第一」とは異なる、今の自分に真にフィットする住まい、そしてこれからの人生を見据えた選択の表れです。住まいの意味が、人生のステージとともに変化していく様子を、彼女の体験は教えてくれます。

参考文献