石丸伸二氏が土田慎衆院議員へ「陣笠議員」質問で波紋:SNS賛否、小西議員との舌戦も激化

2024年10月21日、ビジネスメディア『ReHacQーリハックー』のYouTube生配信に、地域政党「再生の道」元代表の石丸伸二氏(43)が出演し、自民党の土田慎衆院議員(34)に対して放った発言が、SNS上で大きな波紋を呼んでいます。この日の配信は、自民党・高市早苗総裁(64)が臨時国会で首相に選出された直後に行われ、「高市早苗が首相に指名!自維連立政権発足へ…日本どうなる!?」という、日本の政局の行方を占う重要なテーマが掲げられていました。番組には、リモート出演の石丸氏、実業家のひろゆき氏(48)に加え、スタジオには土田氏、日本維新の会・音喜多駿元参院議員(42)、立憲民主党・小西洋之参院議員(53)が集結し、熱のこもった雑談が展開されました。特に、石丸氏の直球な問いかけと、それに対する各議員の反応が、視聴者およびネットユーザーの間で活発な議論を巻き起こしています。

『ReHacQ』生配信で展開された「陣笠議員」論争の火蓋

生配信の冒頭、出演者全員が揃うまでの軽いトーク時間を利用し、京都大学出身の土田氏は、同じ大学の先輩である石丸氏に対し、「石丸さん、同じ大学の同じ先輩で、ずっとお会いしたいと思っていたんで、よろしくお願いします。自民党の衆院議員の土田慎と申します。よろしくお願いします」と丁寧に挨拶をしました。しかし、石丸氏はその挨拶に対し、「土田さん、このタイミングで申し上げていいのかわからないんですけど、土田さんって自民党の方で合ってます?」と切り出し、ニヤリと笑みを浮かべながら、衝撃的な質問を投げかけました。「僕、どこの党の支持とか不支持とかないんですけど、ただ一つポリシーがあって、“陣笠議員”嫌いなんですけど、土田さんって陣笠議員ですか?」

この突如の質問に、番組プロデューサーの高橋弘樹氏(44)は「ぶっこんできますね石丸さん!石丸さん、いいすねー」と爆笑しました。“陣笠議員”とは、一般的に「頭数要員」を意味し、党の幹部の指示に従って採決で票を投じる、自らの意見をあまり持たない議員を指す蔑称です。

いきなりの質問に戸惑い、言葉の意味を測りかねる土田氏に対し、高橋氏が「誰かの取り巻きみたいなもの」と解説すると、石丸氏はすかさず「イエスか、ノーか。どっちですか?」と選択を迫りました。土田氏は「ノーですね」と即答しましたが、石丸氏はさらに「その理由は?」と追及。土田氏は「別に、誰かを取り巻いてるつもりも一切ないですから」と説明しました。しかし、石丸氏の追及は止まりません。「今議員になって数年経たれてます?(土田氏が4年と答えたことを受け)えー、この間、自民党党の方針に反対した法案が何個あります?」という質問に対し、土田氏は間を置かず「ゼロです」と回答。これを聞いた石丸氏は「フっ」と呆れたような笑みを浮かべ、さらに「じゃあゼロとして、自民党の大枠と、己が反するポリシーを教えてください」と畳みかけました。

以下のやり取りでは、土田氏が「まぁ、そういう意味では陣笠議員の部分があるかもしれないと思ったのが……」と述べると、石丸氏は間髪入れずに「ちょっと待ってください!あるの!」と強く反応。土田氏はLGBT理解増進法の採決において、「個人の心情としては反対だったんですけれども、ただ賛成したんで……」と告白し、「そういう意味では、石丸さんのおっしゃった通り(陣笠議員)の側面はあると思います」と最終的に認めざるを得ない状況となりました。この問答は終始石丸氏のペースで進行し、土田氏の表情からは焦燥の色がうかがえました。最終的にはひろゆき氏が「自民党って基本的に党議拘束があるから、反対はできないですよね」とフォローを入れ、場は収まりました。

ReHacQのYouTube生配信で発言する石丸伸二氏と土田慎衆院議員ReHacQのYouTube生配信で発言する石丸伸二氏と土田慎衆院議員

「偉そう」「醜悪」SNSで広がる石丸氏への批判と擁護

石丸氏のこの一連の言動に対し、X(旧Twitter)では様々な反応が起こり、波紋が広がっています。

《シンプルに、石丸氏はなんでこんなに偉そうなの?と思いました。土田氏が陣笠議員と揶揄されるようなことをしているわけでもないのに、なぜいきなり初対面でこの質問なのでしょう。YESかNOの二択も意味不明です》
《自民党議員へ陣笠議員とか言って高橋氏がそれいいですねと褒めてその後石丸氏がふふって勝ち誇ったような笑み醜悪過ぎる》
《なんで初対面の相手にマウントを取ろうとするんだろ?まさしく醜悪》
《石丸さん、これはアウトだな。最悪だよ。もう出なくていいよ。初対面の代議士に向かって陣笠議員だのポリシーを言ってみろだの。完全にバカにしてる》

といった批判的な意見が多数投稿されました。しかし、石丸氏は直後に、土田氏への質問の意図を「今ちょうど議員定数削減が話題になってるじゃないですか、国会議員って本当にこんなにいるのかな、という議論はしといた方がいいと思ったんです」と説明しています。これは、石丸氏なりに政治家のあるべき姿や国会議員の存在意義に一石を投じる意図があったことを示唆しています。

矛先は自身へ?小西洋之議員からの「落選党首」指摘と石丸氏の反論

土田氏との「陣笠議員」論争の後、番組では自民・維新の新たな連立政権の今後に関するトークが展開されていました。しかし、石丸氏は再び「ごめんなさい。本筋の高市政権から離れて恐縮なんですけど」と話題を転換し、今年の参院選で落選していた音喜多駿氏の今後のキャリアについて語り始めました。

石丸氏は音喜多氏に対し、「国会議員、やめましょう。目指すの。音喜多さんを生かす道は僕の中では1個決まってるんですよ。いいですか?都議会議員ですよ。都議会議員128人の中で、無双すればいいじゃないですか。どこにも所属せず、無所属で」と具体的な提案をしました。

この発言に対し、高橋氏が「国会議員にならない方がいいのか、都議会議員になった方がいいという積極的な理由なのか」と真意を問うと、石丸氏は「両方です、消極的なのと積極的なのと。まず、消極的な方は、国会議員になるのムズいです。政党に所属しないと。都議会議員は(かつて音喜多氏が)やってたし」と説明しました。

その直後、立憲民主党の小西洋之参院議員が、石丸氏の過去の選挙結果に触れ、痛烈な一言を漏らしました。

「全員落選させてたじゃないですか。全員落選させた党首が何言ってるんだよ(笑)」

小西氏のこの発言は、今年6月の東京都議会選と7月の参院選で、石丸氏が代表を務める地域政党「再生の道」の全候補者が落選した結果を指摘するものでした。この言葉に石丸氏は不快感をあらわにし、「横から悪口いうのは品が悪いのでやめた方がいいですよ」「意味が分かんないことを被せてくる人、本当に苦手なんですよ。時間の無駄に感じるんで。もしこれをこの先も続けるんだったら、もう僕辞めます。出ないです」と強く反論。しかし、小西氏は全く意に介する様子はなく、「全員落選させた党首さんが何をおっしゃってるんですか?」「石丸構文は私には通用しないから、今日はいくらでも議論しましょうよ」と応戦し、両者の舌戦はさらに激しさを増しました。

小西洋之議員からの指摘に不機嫌な表情を見せる石丸伸二氏小西洋之議員からの指摘に不機嫌な表情を見せる石丸伸二氏

結び

今回の『ReHacQ』生配信は、石丸伸二氏の率直すぎる発言が、日本の政治議論に新たな波紋を投げかけた形となりました。土田慎衆院議員への「陣笠議員」質問は、政治家の主体性や党議拘束のあり方について深く考えさせるきっかけを与え、SNS上では石丸氏の態度に対する賛否両論が巻き起こりました。さらに、小西洋之参院議員からの過去の選挙結果に関する指摘は、石丸氏自身の政治家としての立ち位置や、その発言の重みについて、視聴者に改めて問いかけるものとなりました。

デジタルメディアが政治家同士の直接的な議論の場を提供する現代において、このような激しい舌戦は、有権者にとって政治のリアリティを肌で感じる貴重な機会とも言えます。一方で、感情的な応酬や相手を挑発するような言動が、建設的な議論を阻害しないかという懸念も残ります。今後も、国民が政治家の言葉とその背景にある意図を冷静に見極め、より良い政治の実現に向けた議論が活発に行われることが期待されます。

参考資料