高市早苗首相率いる新内閣において、こども家庭庁のトップに就任した黄川田仁志氏(55)に早くも不安の声が上がっている。前任の三原じゅん子氏(61)の「短すぎる会見」が炎上した直後の閣僚人事にもかかわらず、黄川田氏自身も過去の「不適切発言」で波紋を広げた経緯があるためだ。高市早苗内閣の閣僚としての同氏の資質と手腕、そして多岐にわたる担当職務への適性が、就任前から世論の注目を集めている。
わずか1ヶ月前、高市総裁選会見での「顔が濃い方」発言
黄川田氏が問題視された発言を行ったのは、わずか1ヶ月前の9月19日。高市早苗首相が自民党総裁選の出馬会見に臨んだ際、司会を務めていた黄川田氏が記者からの質疑応答を仕切っていた時だった。彼は質問の手を上げた記者に対し、驚くべきことに「一番奥の机の顔が濃い方」と、極めて直接的なルッキズム(外見に基づく差別)と受け取られかねない発言をした。これには高市氏がその場で「なんてこと言うの、顔が濃い…すみません」と即座に謝罪する事態となった。
しかし、問題はこれだけでは終わらなかったと、複数のテレビ局政治部記者が証言している。黄川田氏はその次の質問者をも「顔が白い、濃くない方」と指名したといい、高市氏が再び「すみません」と謝罪する事態に発展したという。「一体、なぜこのような発言が出るのか理解に苦しむ。時代に追いついていない政治家が重要省庁のリーダーになってしまうとは」と、当時の状況を知る記者たちは黄川田氏の大臣選出に驚きを隠せずにいる。この「ルッキズム指名」の直後、黄川田氏自身も「不適切な表現で記者の方を指名したことをお詫びしたい」と謝罪したが、この一件は高市陣営の「人材不足」を指摘される要因ともなった。
広範にわたる担当職務と高まる不安の声
新大臣となった黄川田氏が担当する職務は非常に多岐にわたる。内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画、地方創生、アイヌ施策、共生・共助)、さらに女性活躍担当、共生社会担当、地域未来戦略担当と、その範囲は広大だ。黄川田氏本人も「担当する分野がかなり多く初めは驚きましたが、全身全霊で取り組んで参ります」と意気込みを語っている。
しかし、SNS上ではこの閣僚人選に対し、やはり不安視する声が多く見られる。「黄川田さんってあのヤバい司会者じゃん!」「顔が濃い発言の人でしょ?大丈夫なんかな」「また失言したら、今度は高市さんにも責任が及ぶよ」といったコメントが散見され、過去の三原じゅん子氏や加藤鮎子氏のような「役人が書いた答弁書が無いと喋れないポンコツ大臣が多すぎる」との不満の声も上がっている。新内閣の船出において、黄川田大臣の動向は国民の大きな関心事となっている。
高市早苗総理大臣、新内閣の閣僚人事に関する記者会見で発言する姿。黄川田仁志大臣の任命が議論を呼んでいる。
多様性が求められるポストにおける資質への疑問
特に、黄川田大臣が担当する職務の中でも「こども政策」や「男女共同参画」などは、多様性や個性を尊重することが強く求められる分野である。そのため、わずか1ヶ月前の「顔が濃い方」といったルッキズム発言は、こうした省庁のリーダーとしての資質に大きな疑問符を投げかけるものとなっている。前大臣の三原じゅん子氏が記者会見で炎上した直後ということもあり、黄川田氏への注目度はさらに高まっている側面もある。
初入閣となる黄川田大臣にとっては、これまでの立場とは異なり、公の場での発言一つ一つが重く受け止められる。多様な価値観を包含し、国民全体を代表する閣僚として、言葉遣いや姿勢には細心の注意を払う必要があるだろう。
高市内閣への国民の期待が高い一方で、今回の新大臣の任命は、その手腕と資質が激しく問われる最初の試練となる。黄川田大臣がどのようにこれらの懸念を払拭し、職務を遂行していくのか、今後の動向が注目される。
参考文献
- Yahoo!ニュース / J-PRIME (2025年10月23日) 「こども家庭庁のトップに“ルッキズム発言”の黄川田仁志氏、SNSで不安の声『高市さんにも責任が及ぶ』」