片山さつき財務相の「若見え」戦略とファッション:小野田大臣との対比から見る印象管理

政治家、特に閣僚は、その発言だけでなく、ファッションをはじめとする見た目にも世間の大きな注目が集まります。かつての石破内閣時代には、身体に合わないスーツなどが「だらしない」と批判の対象になったケースもありました。新しく発足した高市早苗内閣において、閣僚の装いはどのように受け止められるのでしょうか。常に同じヘアスタイルで知られる片山さつき財務相が、そのスタイリングに込めた思いについて、臨床心理士の岡村美奈氏の分析を交えながら深掘りします。

閣僚のファッションと世間の視線:イメージ戦略の重要性

現代社会において、政治家の見た目は有権者に与える印象を大きく左右します。特にメディア露出の多い閣僚にとって、ファッションや身だしなみは自身のメッセージを補強し、信頼感を醸成する重要な要素です。高市早苗新内閣でも、各閣僚の装いには早くも視線が注がれており、そのひとつが片山さつき財務相です。彼女のファッション、特に年齢への意識は、日本の女性政治家としての印象管理の好例と言えるでしょう。

小野田紀美大臣との対比:同じドレスが映す異なる印象

先日、小野田紀美経済安全保障担当相が任命式で着用していたシルバーのドレスが話題を呼びました。その理由は、以前に片山さつき氏が任命式で着用したものと、デザインや生地が同じだったためです。長身でスラリとした小野田大臣のドレス姿は、颯爽としてクールな印象を与えました。一方、当時のメディアで並べられた片山氏の写真を見ると、華やかさはあるものの、どこか懐かしい「昭和感」が漂うという声もありました。今回の高市早苗新内閣での財務相就任時の任命式でも、片山氏が選んだ鮮やかな青のドレスからは、同様に時代を超えた雰囲気が感じられました。同じデザインの服でも、着る人の個性や着こなし方によって、これほどまでに印象が異なることは、ファッションが持つ影響力の大きさを示しています。

記者会見後、財務省の個人向け国債イメージキャラクター「個子ちゃん」の人形を持つ片山さつき財務相記者会見後、財務省の個人向け国債イメージキャラクター「個子ちゃん」の人形を持つ片山さつき財務相

片山さつき氏の「若返り」への意識と具体的実践

しかし、片山氏自身は「若く見られること」を強く意識しているようです。大臣引き継ぎの際、書類に目を通したり署名したりする場面がたびたびニュースで放映される中、彼女の「つけまつげ(ツケマ)」がちょっとした話題となりました。光文社が発行する雑誌『美ST(美スト)』の2020年11月号のインタビューで、片山氏は「数年前からつけまをして以来、若返ったと言われるようになりました」と語っています。

このインタビューでは、年齢と共に変化する目元の印象をアップさせるために、通販で購入しているという「RiPiれるまつげ」17番のガーリーミックスを愛用していると明かされました。「量がまばらで自然に仕上がるので、とても気に入っている」とのことです。今回の任命式で着用していたものと全く同じかどうかは不明ですが、彼女の目元をはっきりと飾り、若々しい印象を与えていたことは間違いありません。片山氏は、「アンチエイジングは政治ポリシーのひとつです」とも公言しており、日頃からスキンケアや運動にも積極的に取り組んでいるといいます。体型が変わると「人の見る目も変わりますよね」という彼女の言葉は、常に自身の公的なイメージ、すなわち「人から自分がどのように見られているか」を意識し、管理していることの表れと言えるでしょう。

結論

政治家にとって外見は、単なる個人的な嗜好を超え、自己表現および有権者へのメッセージ伝達手段の一部となります。片山さつき財務相の場合、そのファッション選択や美容への意識は、自身を若々しく見せたいという願望と、公の場での印象管理が一体となった戦略であることが伺えます。小野田紀美大臣との対比に見られるように、服装一つで伝わるイメージは大きく異なり、片山氏が「アンチエイジングを政治ポリシーの一つ」と語る姿勢は、現代の女性政治家がいかに多角的に自身のパーソナリティと公的役割を融合させているかを示唆しています。

参考文献

  • 時事通信フォト (画像出典)
  • News-Postseven (記事出典: 「2018年初入閣時のドレス姿が小野田大臣と丸かぶり!両者の着こなしの違いは?」)
  • 『美ST(美スト)』(光文社)2020年11月号 (片山さつき氏インタビュー記事)
  • 岡村美奈氏(臨床心理士)分析 (記事内引用)