村上誠一郎前総務相、退任会見で“男泣き” 党内野党の矜持「高市政権にも言うべきことは言う」


【写真】巨漢で、スーツは特注とされる“政界の小錦”はこちら

*  *  *

■仕事を全うできた感謝の気持ちから…

――総務相としての最後の会見や退任あいさつでは、「民主主義と財政規律を守ることが我々に課された大きな責務」「国民を守り、助ける最後の砦はわが総務省しかない」と涙ながらに話し、話題になりました。どんな思いだったのでしょうか。

 世界の情勢が100年前に戻りつつあるのではないかという危機感を持っています。今から100年ほど前にスペイン風邪がはやり、1929年から大恐慌があって、33年にナチス政権が生まれ、第二次世界大戦が39年に始まった。

 現代に目を転じると、2020年に新型コロナウイルスの流行、22年にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、イスラエル・パレスチナ紛争も起きました。超大国はどこも自国第一主義に走り、世界の平和と安定を考えるリーダーがいなくなり、アメリカでは分断が起こり、極右も各国で台頭しています。

 日本でも財政規律を無視した財政ポピュリズムがはやり、排外主義的な主張をする人が増えている。そんな時代に選挙制度や放送制度をつかさどる総務省は、国民にとって合理的な意思決定の基盤となる、民主主義を守る責務を持っています。地方財政を預かり、地方自治体と密にコミュニケーションを取る役所でもあるので、財政規律にも責任があります。

 涙を流したのは「男泣き」でした。事務次官の御礼のあいさつを聞いていたら、込み上げてきました。私の基本姿勢から、自治体行財政や地方創生、放送関係、予算・国会対応から岩手県大船渡市・今治市などの林野火災まで語ってくれました。ここまで私の考えを理解してくれていたのかと……。総務省の皆さんに一丸となって支えていただいて、仕事を全うできた感謝の気持ちで涙が出たんです。



Source link