高市早苗首相、政権盤石化へ「一か八かの賭け」か?靖国参拝“Xデー”浮上

歴代2位となる82%(JNN調査)という高支持率で船出した高市早苗首相だが、その前途には内政、外交ともに課題が山積し、少数与党での政権運営は決して容易ではない。こうした状況の中、政権基盤を盤石にするため、一歩間違えれば大きな反発を招きかねない「一か八かの賭け」とも言える極秘プランが水面下で浮上しているという。それは、首相による靖国神社への「電撃参拝」の可能性だ。この動きは、日本の保守層への強いアピールとなり、今後の政局を左右する重要な一手となるかもしれない。

少数与党の苦境と政権基盤強化への模索

高市自民党が連立を組む日本維新の会の藤田文武共同代表による公金還流疑惑が炎上し、さらにはNHK党の立花孝志党首が名誉毀損容疑で逮捕され、同党議員が自民党との統一会派を離脱するなど、高市政権は発足早々、与党内の不安定要因に直面している。こうしたイメージダウンを挽回し、政権の求心力を高めるべく、高市首相はかねてからの「高市カラー」とも言える保守色の強い政策や発言を前面に押し出している。

「台湾有事は日本有事」と「外国人規制」のタカ派路線

高市首相のタカ派路線は、11月7日の衆院予算委員会での発言で明確に示された。中国による台湾の海上封鎖が発生した場合について、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態(日本の集団的自衛権行使の対象になる)になり得るケースだ」と答弁。これは従来の政府見解よりも踏み込んだものであった。当然、中国側は呉江浩駐日大使がSNSで「『台湾有事は日本有事』をあおり、日本を中国分断の戦車に縛り付けるなら、引き返せない誤った道を歩むだけだ」と批判。中国外務省も「内政への粗暴な干渉」と非難し、立憲民主党が答弁撤回を求めたが、高市首相はこれを頑として拒否した。

また、外国人規制に関しても「タカ派」路線を鮮明にしている。自民党内に総裁直属の「外国人政策本部」を立ち上げ、初会合で外国人の土地取得規制などの議論を開始。国会で自身の総裁選での外国人批判発言の撤回を求められた際にも、「撤回しろと言われても、撤回するわけにはまいりません」と断固たる姿勢を示した。この「外国人批判」とは、「奈良の鹿を足で蹴り上げるとんでもない人がいる。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものを痛めつけようとする人がいるとすれば、何かが行き過ぎている」という発言を指す。高市首相としては「台湾有事は日本有事」が持論であり、外国人の投資規制も総裁選での公約ではあるが、これらの強硬な姿勢は、揺るぎない保守層の支持を固める狙いがあると見られている。

靖国神社を参拝する高市早苗首相の姿靖国神社を参拝する高市早苗首相の姿

靖国神社電撃参拝の噂と「Xデー」12月26日

こうした中、自民党の高市支持派議員の間では「臨時国会の閉会後、総理は靖国神社を電撃参拝するつもりだ」という情報が流れている。高市氏はこれまで、大臣在任中を含め、靖国神社の春と秋の例大祭、そして8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた。しかし、自民党総裁就任後の今年10月17日からの例大祭では、玉串料を納めるに留まり、参拝は見送った。これは、その後にドナルド・トランプ大統領の来日や韓国で開催されるAPEC首脳会議の日程を控えていたことを考慮したためとされる。

しかし、すでに中国、韓国との首脳会談は終えており、国会が閉会すれば、外交的にも政治日程上も靖国参拝への制約が少なくなるのは間違いない。高市首相による靖国参拝が実現すれば、保守層へのアピール力は、台湾有事や外国人規制に関する国会答弁とは比べ物にならないほど強力なものとなるだろう。その参拝の「Xデー」として最有力視されているのが、12月26日だという。これは、安倍晋三元首相が首相在任中に靖国神社を参拝した日と同じである。

高市首相が政権の安定化と保守層へのアピールを強める中、靖国参拝は極めて戦略的な一手となる可能性を秘めている。国内外からの反発も予想されるが、この「一か八かの賭け」が高市政権の行方を左右する重要な局面となるだろう。