「いまは団地より“平家”に癒やされる」 まるでケアドラマ? NHK夜ドラ『ひらやすみ』に共感が集まっているワケ


【写真】「超リアル!」「オシャレじゃないのが逆にいい」人気を呼ぶ『ひらやすみ』で使われた《平家の内部》

 真造圭伍による人気漫画を原作にした『ひらやすみ』の「ひら」とは平屋のこと。はじめてタイトルを見たときは「平日」の休みのことかと思ったのだが、「平屋」だった。

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 高齢化が進み、空き家の増加が問題視されている日本。同作の主人公・生田ヒロト(岡山天音)は、東京・阿佐ヶ谷駅から徒歩20分、2DKの庭付き平屋を、近所の身寄りのない高齢女性はなえ(根岸季衣)から譲り受ける。

 ヒロトは定職についていないフリーターで、それまで築古のアパートで暮らしていた。それが古いとはいえ日当たりのよさそうな庭付き平屋を手に入れるとは、なんという幸運のめぐり合わせであろうか。

 兄妹や恋人ほど濃密でない「いとこ」同士の同居。ヒロトが料理をし、小さなテーブルでなつみが食べる。目玉焼きを載せたやきそば、お味噌汁付きのとんかつ、キャベツと肉炒め、そうめんと副菜など、さりげないが雑でない、あったかい家庭料理の数々が眼福(フードスタイリストはこの食ドラマにこの人ありの飯島奈美)。

 ヒロトとなつみの住む風通しのいい平屋に友人知人たちが集まってくる。

 ヒロトの高校時代の友人・ヒデキ(吉村界人)は妻(蓮佛美沙子)との関係に悩み、不動産会社の社員・よもぎ(吉岡里帆)は頑張り過ぎて疲れがちで、自由人ヒロトの生き方を羨ましく感じる。なつみの友人・あかり(光嶌なづな)は自虐的な性格で、なつみと一緒にいるのが癒やしになっているようだ。

 登場人物の誰もがとりたてて突出したところがあるわけでもなく、何か大きな目標に向かっているわけでもない。彼らのささやかでほのぼのした日常生活が、月曜日から木曜日の平日夜に15分。22時45分から23時、1日のいろいろを終えて寝る前の15分に『ひらやすみ』はいい睡眠導入剤のようだ。



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