松岡昌宏、STARTO社退所と新会社設立:TOKIOへの「揺るがぬ愛」胸に新たな船出

今年、35年の歴史に幕を閉じた国民的グループTOKIO。その半生をグループに捧げた松岡昌宏(48歳)が、この度、STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)を退所し、新たなマネジメント会社「MMsun」を設立するという大きな決断を下しました。故郷への思いを胸に新天地へと踏み出す彼の内には、かつての仲間たちへの揺るぎない愛情が深く刻まれていることが伺えます。この動きの背景には、TOKIOの解散、そしてメンバーである国分太一のコンプライアンス違反問題が深く関わっています。

新会社「MMsun」設立と事業の拡大

松岡昌宏は10月上旬、東京・港区のオフィスビルに自身の新たなマネジメント会社「MMsun」を設立しました。この新会社の代表取締役を務めるのは松岡昌宏自身です。注目すべきは、「MMsun」が、今年6月に解散を発表し、現在廃業手続きが進められている「株式会社TOKIO」と同じ場所に設立された点です。松岡は株式会社TOKIOの副社長でもあり、新会社の資本金や発行済み株式数も株式会社TOKIOと同額。事業目的はほとんど変わらないものの、新たに「音楽著作権の管理」や「原盤の企画・制作」といった項目が加えられています。これは、これまでSTARTO社に託されていた事業の一部を、今後は新会社で自ら手掛けていく方針を示唆しており、松岡の独立と新たな挑戦への強い意欲が感じられます。

11月末でSTARTO社を退所する松岡昌宏11月末でSTARTO社を退所する松岡昌宏

TOKIO解散と国分太一のコンプライアンス問題の余波

松岡昌宏は1989年10月に旧ジャニーズ事務所の門を叩いて以来、36年間にわたり一筋で芸能界を歩んできました。事務所の「申し子」とも称され、後輩たちからは「松兄」と慕われる存在です。しかし、彼の決断の大きな引き金となったのは、盟友と呼ぶ国分太一のコンプライアンス違反問題でした。今年6月、日本テレビが国分に複数のコンプライアンス違反があったことを公表し、「ザ!鉄腕!DASH!!」を含むレギュラー番組からの降板を発表。国分は芸能活動を休止する事態となりました。

この事態を重く見た松岡と城島茂は、TOKIOの解散を決定。松岡からの申し出を城島が受け入れる形で、わずか2分で結論が出たと言われています。その後、株式会社TOKIOも事務手続きが完了次第廃業することが告知され、1990年4月の結成から35年間のグループ活動に終止符が打たれました。この約5か月間、松岡は主演舞台やバラエティー番組の出演を黙々とこなしながら、静かに第二の人生へと動き出していたのです。

STARTO社からの独立と芸能界の新たな潮流

松岡昌宏は、11月末をもってSTARTO社とのエージェント契約を終了し、12月からは単独で活動していく意向を固めています。12月上旬にはライブ上演企画「いきなり本読み! in 三越劇場」への出演が予定されていますが、STARTO社の公式ホームページには彼のスケジュールは掲載されておらず、12月以降は「白紙」の状態が続いています。この舞台が事実上の独立後初の仕事となる見込みです。

STARTO社は、旧ジャニーズ事務所に所属していたタレントのマネジメント業務を引き継ぐ会社として2024年4月に本格始動しました。多くのタレントが移行しましたが、個人の自主性が尊重された結果、独立や他事務所への移籍を選択する者も少なくありませんでした。新体制が始まって間もなく、嵐の松本潤が独立を発表。2024年10月には人気グループ「HiHi Jets」の高橋優斗が退所しました。さらに、今年1月にはソロ活動をしていた中山優馬、3月にはKAT-TUNの亀梨和也が相次いでSTARTO社との契約を終了し、独立の道を歩んでいます。

このような状況の中、松岡昌宏のSTARTO社退所と新会社設立は、旧ジャニーズ事務所からSTARTO社へと体制が移行する中で、タレントたちが自身のキャリアを主体的に選択していく新たな潮流を象徴する出来事と言えるでしょう。松岡の胸には、かつてのTOKIOメンバーへの変わらぬ「揺るがぬ愛」が刻まれており、その思いが彼の新たな挑戦を支える原動力となることでしょう。