6月に公開された吉沢亮主演映画『国宝』が、日本の映画業界に新たな金字塔を打ち立てました。22年間トップに君臨していた歴代邦画実写興行収入ランキングを更新し、公式Xもこの偉業を喜びをもって伝えました。この作品の成功は、主演を務めた吉沢亮への賞賛とともに、彼が約半年前の泥酔事件を乗り越え、見事にキャリアを再浮上させた復活劇としても注目されています。
邦画実写の金字塔を打ち立てた『国宝』
これまで、2003年公開の織田裕二主演『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が173.5億円の興行収入で長らくトップの座を守っていました。しかし、『国宝』はついに1231万人を動員し、興行収入173.7億円(興行通信社調べ)を記録、わずかな差ながらも「歴代実写映画No.1」の座を奪取しました。
映画誌ライターによると、同作の人気は公開から5カ月を過ぎても衰えることなく全国で上映が続いており、さらにロサンゼルスやニューヨークでも上映されるなど、その勢いは止まりません。今後、さらなる興行収入の増加が確実視されており、200億円の壁を超えるのも夢ではないとされています。
映画『国宝』で主役の歌舞伎女形を演じた吉沢亮氏
泥酔事件からの復活:要因は何か
『国宝』の歴史的ヒットに沸く一方で、吉沢亮が公開の約半年前、2024年末に起こした泥酔事件は記憶に新しい出来事です。12月29日、吉沢は友人と酒を飲んで泥酔し、翌日午前に港区の自宅マンション隣室に侵入。「トイレをしたくて勝手に入ってしまった」と供述し、隣人女性が110番通報したことで発覚しました。
この不祥事により、CM出演していたアサヒビールは翌日契約解除を発表し、2月14日公開予定だった主演映画『ババンババンバンバンパイア』の延期も決定されるなど、大きな代償を払いました。しかし、隣室の女性とはすぐに示談が成立し不起訴となったため、『国宝』は予定通り公開されました。芸能ジャーナリストは、吉沢がこの窮地から見事に再浮上できた背景にはいくつかの要因があると指摘しています。
まず、所属事務所の対応が挙げられます。事件発生後、事務所は迅速かつ過不足なく状況を説明し、特に被害女性に対する配慮を示しました。また、吉沢のファンが必要以上に彼を擁護しなかったことも、炎上が拡大しなかった一因とされています。CM降板ラッシュが懸念された中、2020年から広告に起用しているアイリスオーヤマが契約を継続したことも注目されました。世間はこれを「対応が甘い」と見るのではなく、「アサヒビールの降板で禊は済んだ」と判断する声が広まったのです。
吉沢亮の俳優としての実力と作品への評価
そして何よりも、吉沢亮の俳優としての圧倒的な実力が彼の復活を決定づけました。泥酔報道後も、『国宝』を含め2作連続で作品性の高い映画が公開されたことで、「やはり実力派」という世論を味方につけることに成功しました。歌舞伎の女形を見事に演じ切った『国宝』での演技は、批評家からも観客からも高く評価され、彼の俳優としての評価を一層確固たるものにしました。
結論
今回の騒動を上回る『国宝』の大ヒットは、吉沢亮のキャリアにとって最大の追い風となったことは間違いありません。彼の真摯な対応、周囲の理解、そして何よりもその卓越した演技力が、人気俳優としての彼の地位を不動のものとし、国宝級と評される彼の演技と共に、見事な復活劇を遂げたと言えるでしょう。
参照元:
Yahoo!ニュース. (2025年11月26日). 『国宝』が邦画実写興行収入ランキングを22年ぶりに更新、泥酔事件を乗り越えた吉沢亮の“復活劇”. https://news.yahoo.co.jp/articles/774affc1e387f49821c3d4c0b79de889a01d498c





