[10日 ロイター] – スロバキアのフィツォ首相は9日、ロシアの対ドイツ戦勝80周年を祝う式典への自身の出席を阻止しようとした欧州連合(EU)内の動きを非難した。
フィツォ氏は9日、モスクワ中心部の「赤の広場」で行われた軍事パレードに出席後、大統領府(クレムリン)でロシアのプーチン大統領と会談した。
記念式典には中国の習近平国家主席ら数十カ国の首脳が出席したが、西側諸国の首脳は軒並み出席を見合わせた。
フィツォ氏がモスクワへ向かう際、EUの一部加盟国は同氏が搭乗した航空機が自国の領空を飛行することを禁止したため、航空機は禁止された空域を避けて迂回しなければならなかった。
ロシアの通信社によると、フィツォ氏はプーチン氏に対して「私は政府の首脳として、ロシア連邦との間で実用的な関係を構築することが私の意向であることを確信していただきたい」と述べた。
さらにフィツォ氏は「(冷戦時代の欧州で東西陣営間の緊張を高めた)鉄のカーテン」を新たに作ることには反対すると表明。自身の記念式典への出席を阻もうとしてEUの動きを「稚拙な悪ふざけ」と一蹴した。
また、フィツォ氏はロシア産ガスの輸入を段階的に禁止するEUの計画に反対するとも言及した。
ロシアのウクライナ侵攻から2年余りを経た昨年、フィツォ氏はモスクワを訪問し、ロシアと対立するEUの結束を乱す形となった。
EU欧州委員会のカラス外交安全保障上級代表兼副委員長やポーランドのトゥスク首相は、フィツォ氏の記念式典への出席を非難していた。