ひとり暮らしの空間には、その人の生き方が色濃く反映される。特に趣味に情熱を傾ける人々にとって、住まいは単なる生活の場を超えた意味を持つ。登録者数16.5万人を超える人気YouTubeチャンネル「タカハシラボラトリー」(通称:タカラボ)を運営するガンダム愛好家、タカハシさん(31歳)の部屋は、まさに彼の「好き」を極限まで追求した空間だ。埼玉県の住宅街にある普通のアパートの扉を開けると、そこには圧倒的なガンダムの世界が広がる。広さ65㎡の3DKは、まさに彼の「趣味部屋」として選び抜かれた物件なのだ。
圧巻のガンダムワールドが広がる空間
玄関を開けた瞬間から、部屋全体がガンダムの世界観に包まれる。整然とディスプレイされた膨大な数のガンプラや関連グッズが並び、一般的な生活感は極力排除されている。この独特の空間こそが、タカハシさんが長年思い描いてきた理想の「趣味部屋」の姿だ。
タカハシさんがコレクションに囲まれた趣味部屋に立つ様子。膨大なガンプラやグッズが壁一面に並ぶ、理想のガンダム空間。
子どもの頃からの「夢」を実現
タカハシさんは語る。「こういう趣味部屋をつくるのが、子どもの頃からの夢だったんです」。時間も空間も、自分の「好き」を最優先するために徹底的にチューニングされたこの場所は、まさにガンダムマニアが追い求めた「夢の城」と言えるだろう。
終わりなきガンダム人気の波
2025年春に放送開始された新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は最終回を迎えるが、Amazonでの配信や劇場版のヒットなど、ガンダム人気は再び高まっている。長年のファンに加え、新たな世代も続々とその魅力に引き寄せられている状況だ。
マニアを支える「不滅のコンテンツ供給」
「ガンダムの供給は絶えることがない。だからガンダムマニアは、ずっと幸せでいられるんです」とタカハシさんは語る。アニメが終了した後の寂しさや、続編が出ないもどかしさといった、多くのファンが直面する「推しの供給断絶」とは異なり、ガンダムは特殊な存在だ。
追いつけないほどの圧倒的供給量
タカハシさんは笑いながら続ける。「短いスパンで新作が発表されたり、毎月のように新しいプラモデルが発売されたり。むしろ追いつけないくらい」。40年以上にわたり、作品もグッズも途切れることなく提供されるガンダムという存在は、彼にとって「安心できるベース」として、日々の暮らしの根幹を成しているのだ。
趣味が人生を豊かに彩る
タカハシさんの住まいは、単にガンダムグッズを置く場所ではない。それは、子どもの頃からの夢を実現し、自身の情熱を形にした空間であり、そして何より、半世紀近くにわたりコンテンツを提供し続ける「ガンダム」という存在が、いかに一個人の人生において確固たる「ベース」となり得るかを示す証拠と言えるだろう。彼の部屋は、趣味が人生を豊かに彩る可能性を教えてくれる。