連日、35度を超える猛暑が続いており、日本の夏はかつてないほどの厳しさを増しています。このような過酷な環境下では、私たちの愛車もまた大きな負担にさらされています。特にハイブリッド車や軽自動車、あるいは年式の古いクルマにお乗りの方にとって、エンジンオイルの適切な管理はエンジンの寿命と性能を維持するために極めて重要です。この記事では、夏のエンジンオイル管理のポイントについて詳しく解説します。
猛暑がエンジンオイルに与える影響
連日続く35度以上の猛暑は、愛車のエンジンにとって過酷な試練です。特に渋滞時のストップアンドゴーや長時間のアイドリングは、エンジン内部の温度を上昇させ、エンジンオイルに極度の熱ストレスを与えます。この熱により、オイルは酸化・劣化が進行し、本来持つ粘度や潤滑性能が低下する恐れがあります。性能が劣化したオイルを使い続けると、エンジンの金属部品の摩耗を招き、異音や燃費悪化、さらにはエンジンの早期寿命につながる可能性もあります。
高温多湿な日本の夏に対応するため、適正なエンジンオイルをチェックする様子
夏場のエンジンオイル粘度選びと賢い対策
エンジンオイルの粘度は、オイルの特性を示す重要な数値です。「5W-30」のように低温側(Wの後ろ)と高温側(ハイフンの後ろ)の二つの数字で示されるマルチグレードオイルが一般的です。高温側の数値が高いほど、高温環境下での油膜保持能力が高く、エンジン保護性能に優れますが、燃費性能には不利になる傾向があります。
日本の夏は高温多湿ですが、走行中のエンジンオイル温度は冷却システムである程度安定します。そのため、メーカーが指定する粘度範囲内のオイルであれば年間を通じて使用可能です。しかし、近年の猛暑や、ストップアンドゴーが多い都市部での走行がメインといった過酷な使用環境下では、取扱説明書で許容されている範囲で、高温側の粘度指数がやや高めのオイルを選択することも、エンジン保護の観点からは有効な対策となり得ます。
ただし、近年の低燃費志向のクルマ、特にハイブリッド車などは、エンジン制御が極めて精密に設計されており、指定された低粘度オイル(例: 0W-20)の使用が前提となっています。この種のクルマで指定粘度以外を使用すると、本来の燃費性能が発揮されないだけでなく、エンジンの不調や保証問題につながる可能性もあります。ご自身の車の取扱説明書をよく確認し、指定されている粘度範囲を守ることが最も重要です。不明な場合は専門家やディーラーに相談しましょう。
まとめ:猛暑からエンジンを守るために
日本の夏は年々厳しさを増しており、あなたの愛車、特にハイブリッド車や軽自動車、年式の古いクルマにとって、エンジンオイル管理の重要性はかつてないほど高まっています。高温によるオイルの劣化はエンジントラブルの元凶となり得ます。この記事で解説した粘度の考え方や、お車の使用環境、そしてメーカーの指定を総合的に考慮し、必要であれば早めの点検や交換を行うことが、愛車を猛暑から守り、長く安心して乗り続けるための賢明な対策と言えるでしょう。夏本番を迎える前に、一度愛車のエンジンオイルの状態を確認してみてください。
参考文献
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a28fa5e41f28bc97c37f0215a5906c938b01575