タダ乗りするやつは社会的に抹殺したい!でも「やさしい人」でいたい…人間の“本性”がかくも矛盾するワケ


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● 他人の「タダ乗り」を許せない 身近な人間関係でもそれは起こる

 私たちは、自分のやさしいが他人に悪用されることを避けたいと思うはずです。いつもいつもあなたの善意を頼ってくる人がいたら、精神的にも、肉体的にも、消耗してしまうことでしょう。自分は他人にいいように使われている、道具のようなものに成り下がって損をしているのではないかと。

 社会学や心理学の調査や実験でわかっていることですが、私たちは「フリーライダー=タダ乗りする人」をとにかく嫌います。税金をちょろまかしていたり、列に横入りをしたり、補助金を不正に受け取ったりすること、つまり「フリーライド=タダ乗り」に対して、私たちは怒りや憎しみといった強いネガティヴ感情をもちます。

 自分がそれをしているときはそこまで気にならないか、気づきもしないのですが、他人がそうしているのを見ると許せないのです(*1)。

 これは身近な人間関係、とりわけ長く時間を共有しているパートナー関係や友人関係でも起こります。

 「自分ばっかりやっている」

 「なんで私だけこんな目に?」

 「こっちはこんなに働いて疲れているのにどうして?」

 という苦しい想いに由来する、「あの人(たち)はズルい」という感情です。

 (*1)ロバート・クルツバン『だれもが偽善者になる本当の理由』(高橋洋訳、柏書房、2014



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