婚活で「好き」が見つからない30代・40代男性の悩み【専門家解説】

近年、30代・40代の独身男性の間で、婚活で理想的な相手と出会っても恋愛感情が芽生えないという悩みが深刻化しています。年収やルックス、相手のスペックといった条件を満たしているはずなのに、心が動かない。この「恋愛の無気力モード」について、結婚につながる恋のコンサルタント、山本早織氏が解説します。

理想の相手でも「ドキドキ」しない現実

婚活を続ける多くの男性から、「相手は魅力的で条件も良いのに、『ドキドキ』や『ときめき』といった感情が全く湧かない」という声が聞かれます。「婚活しても好きになれない」といったキーワードでのSNS検索も多く、同じ悩みを抱える人が少なくない現状が伺えます。理想の相手に出会えても心が反応しないことへの焦燥感や不安は増すばかりです。

結婚につながる恋の専門家、恋愛コンサルタント山本早織氏のポートレート結婚につながる恋の専門家、恋愛コンサルタント山本早織氏のポートレート

具体例:41歳男性タクマさんのケース

結婚相談所を利用するタクマさん(仮名、41歳)も、同様の悩みを抱えていました。彼は保育士のユリさん(仮名、38歳)と交際を開始。ユリさんは穏やかで素敵な笑顔を持ち、安定した職業で前向き。客観的に見れば結婚相手として申し分ない好条件です。初回デート後には「この人とは結婚できそう」という合理的な手応えはあったものの、胸が高鳴る感覚は一切ありませんでした。周囲からは理想的な相手だと言われる一方で、タクマさん自身は「なぜ結婚したいと思ったのだろう」と自問するほどでした。

恋愛のプロが示す「結婚の決め手」とは

このような「ときめきがない」という悩みを抱えるタクマさんに対し、専門家である山本氏は別のアプローチを提案しました。山本氏は、「自分のこんな部分を理解し、愛してくれる人はいないだろう、と思っていた部分を受け入れてくれる相手と出会えたら、それが家族になるということだ」と語ります。結婚は特別なイベントではなく、日々の生活の延長線上にあるもの。だからこそ、非日常的な「特別な何か」を相手に探しに行く必要はない、という視点を示しました。

不確実性を受け入れる勇気:タクマさんへの具体的な助言

タクマさんは現在安定した年収(600万円)がありますが、将来的には独立したいという願望を秘めていました。しかし、「不安定になる可能性のある自分に、ついてきてくれる女性はいないのでは」と考え、結婚を先に決めようとしていたのです。山本氏は、この「いつか独立したい」という不確定な気持ちを、交際相手のユリさんに伝えてみることをアドバイスしました。「もしそうなったとき、どうする?」と具体的に話し合うことで、相手が自分の不確実性を受け入れてくれるかを見極めることが、真の結婚の決め手になるという示唆を与えました。

結論

多くの婚活中の男性が求める「ドキドキ」や「ときめき」といった感情は、結婚の絶対条件ではありません。むしろ、自分の弱さや不確実な部分を含めて理解し、共に人生を歩める相手を見つけることこそが、結婚生活を豊かにするための重要な鍵となるでしょう。山本氏のアドバイスは、結婚に対する新たな視点を提供し、多くの婚活男性の不安を和らげるものと言えます。

出典:日刊SPA!