参院選での自民党大敗の責任が問われ、党内からは退陣論が浮上する一方で、「石破辞めるな」の声も根強い石破茂首相(68)。そんな中、X(旧Twitter)上で石破首相を「工作員」と断定する現職国会議員の投稿が大きな波紋を呼んでいます。この衝撃的な発言の背景と、その真意に迫ります。
「工作員」発言で波紋を呼ぶ石破茂首相の姿
北村晴男氏の「工作員」投稿とその背景
日本保守党から参院選で初当選した北村晴男氏(69)は、7月25日、自身のXに「《間違いなく工作員です。》」と投稿しました。『行列のできる法律相談所』でお馴染みの“北村弁護士”として知られる同氏は、比例代表で約97万票という全国トップの得票数を獲得しています。
この発言は、石破首相が共著を務めた『自民党失敗の本質』(宝島社)や、「保守のコスプレ。“売国政治”の正体!」と銘打たれた『自民党という絶望』(宝島社)の表紙に言及した別アカウントの投稿を引用する形で行われました。引用元の投稿では、石破首相が過去に「左翼活動家のお仲間」として安倍晋三元首相や自民党を批判してきた経緯に疑問を呈し、現在、共産党や社民党、れいわ新選組の支持者が「石破辞めるな」と石破首相を支持する動きがあることを指摘。「首相は、まるで左派からの潜入工作員みたいに見える」という私見を述べていました。北村氏の投稿は、この見解を肯定する形でなされており、石破首相が「間違いなく工作員」であると断じたものと解釈できます。
渦巻く波紋と北村氏の見解
一国の現職首相に対する「工作員」発言は、X上で大きな議論を巻き起こしました。「いったいどこの工作員なんだろう」「首相を工作員だと言うなら、納得できる理由を説明するのが筋ではないか」といった疑問の声が多数上がりました。
これに対し、本サイトが北村氏の所属する弁護士事務所を通じて、「石破首相が工作員である」との主張の根拠や、「どこの(何の)」工作員であるかについて問い合わせたところ、北村氏本人から書面で以下の回答が寄せられました。
北村晴男です。
以下、ご質問にお答えします。
保守政党であった自民党に左派活動家である石破氏が入り込み、保守政党を左派政党に変質させるべく、様々な工作活動を行って来た。主観面は客観的な行為から合理的に推認するほかないところ、石破氏が行ってきた活動は客観的に上の通りである。すなわち、石破氏は自らの信念からなのか、他者から命じられたかは不明であるものの、左派活動家であり、日民党(編集部注:原文ママ)に潜入した工作員と判断するほかない。
以上です。
北村
この回答からは、北村氏が石破首相を「保守政党である自民党を変質させるための活動を行ってきた左派活動家」と捉え、「潜入した工作員と判断するほかない」という見解であることが明確になりました。
「保守政治家」の定義を問う
自身を「保守政治家」と称し、39年前から自民党に身を置く石破首相に対し、新進気鋭の「保守」を掲げる北村氏が投げかけた「工作員」という言葉。今回の論争は、現代日本政治における「保守」の定義や、その思想の多様性、そして与党内の力学に新たな問いを投げかけるものと言えるでしょう。今後の政治状況と世論の動向が注目されます。
参考文献
- Original source: Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/1e07e96eaca56c7ca8874c82b99d1ba79e4c2601)