長きにわたり激しい政治の舞台で戦い抜いた石破茂首相(68)の退任が近づく中、世界中から注目を集めた大阪・関西万博も10月13日に盛大な閉幕を迎えました。そのタイミングで石破首相が自身のX(旧Twitter)に投稿した一枚の写真が、多くの国民の心に深い感動を呼び起こしています。公開されたのは、珍しいとされる「黒ミャクミャク」を優しく抱きかかえる首相の姿でした。この象徴的な一枚は、発表当初は「醜い」「奇妙な生き物」と厳しい批判に晒されたミャクミャクと、在任中、政策論争や批判的なコメントに常に直面してきた石破首相の歩みが、奇妙なほどに重なり合う瞬間を映し出しています。
石破茂首相が大阪・関西万博会場で視察を行う様子
批判から一転、国民が石破首相に送る温かいメッセージ
大阪・関西万博の公式キャラクターであるミャクミャクは、その斬新で独特なデザインが発表された当初、インターネット上で「不気味」「かわいくない」といった厳しい意見が飛び交いました。同様に、石破首相もその政治キャリアにおいて、常に国民からの厳しい視線と批判に晒され、政策決定や発言のたびに激しい論争を経験してきました。しかし、今回投稿された「黒ミャクミャク」を優しく抱擁する写真がきっかけで、国民の首相に対する見方は一変しました。
これまで石破首相に対して辛辣なコメントを寄せていたユーザーからも、「ミャクミャクを包み込むような優しさに胸を打たれた」「政治家じゃなければきっといいおじさんなんだろうな」「いつもミャクミャクを可愛がってくれてありがとう」「総理、お疲れさまでした。そっと寄り添う姿に涙が出た」といった、心温まるメッセージが殺到しました。この変化は、それまでの猛批判が嘘のように消え去り、SNS上には“優しい世界”が広がっていることを示しています。
大阪・関西万博の成功と石破首相の「卒業」
全国紙記者は、「高市氏が総裁選を勝ち抜いたと同時に、SNSでは石破首相へ“愛のある声”が一気に広まった気がします。いろいろと言われた総理ではありましたが、いざ退任となると寂しいのか、万博の終焉と相まって感謝の言葉が溢れているように思います」と分析しています。
石破首相は、万博の閉会式にも内閣総理大臣として出席しました。大阪・関西万博は当初、建設費高騰や運営に対する不透明さなど、数々の逆風に晒されていましたが、最終的には国内歴代2位となる約2500万人を超える来場者を集客し、大きな成功を収めました。10月13日の閉幕式では盛大なセレモニーが執り行われ、石破首相は「個性的で愛くるしい姿で博覧会を成功に導いた」とミャクミャクに感謝状を授与するなど、閉幕まで万博に心を寄せていました。
黒ミャクミャクに象徴される「逆境を乗り越える力」
政界関係者は、「批判だらけのスタートから多くの感動を生み、結果として成功を収めた万博の姿と、長年の苦労人で知られ批判に耐えながら総理の任期を全うした石破総理の“卒業”が、奇妙なほどに重なりましたね」と語ります。
石破首相が黒ミャクミャクを抱擁した姿は、「逆境にも負けず、最後までやり遂げる」という強いメッセージを象徴しているのかもしれません。国民からの批判や逆風の末に大成功を収めた万博の終焉と、総理という国家の重責から解放される石破首相の心境が、この一枚の写真の中で感動的に交錯し、人々の共感を呼んだのではないでしょうか。この瞬間は、単なる政治家の引退以上の、困難を乗り越える人間の強さと、それを支える温かい国民の心を示しています。