先般、小野田紀美経済安全保障担当大臣を警護する女性SPの姿がX(旧Twitter)上で大きな注目を集め、「強そうでかっこいい」といった称賛の声と共に、10万件を超える「いいね」を獲得しました。この画像は、要人警護の現場で活躍する女性たちの存在を改めて世に知らしめるものとなりましたが、その背後には一般には知られていないSPの奥深い実情があります。
小野田紀美経済安全保障担当大臣を警護する女性SP2名
小野田大臣SPは「高市首相SP」の可能性:ベテランが語る意外な真実
この女性SPたちについて、身辺警護SP学院の講師を務める元警視庁SPの伊藤隆太氏は、意外な見解を示しています。伊藤氏によると、彼女たちが小野田大臣専属のSPではなく、「高市首相のSPである可能性が非常に高い」とのことです。これは、官邸に呼び出された新任大臣を総理担当のSPが迎えに行くという慣例に基づくと説明されています。SPの配置や役割分担には、一般の認識とは異なる専門的なルールが存在するのです。
「SPの頂点」は誰?ベテランSPと新人SPの役割分担
多くの人々は、内閣総理大臣のSPが警護の「頂点」であると想像しがちです。しかし、伊藤氏によれば、実際のSPの世界では認識が異なります。総理大臣には数十人のSPが配属されますが、その中には経験豊富なベテランSPと、訓練中の新人SPが混在しています。新人SPは総理の警護現場で数年間の実務経験を積み、一人前と認められた者だけが、より少人数体制で高い経験が求められる大臣のSPへと昇格する道が開かれるのです。大臣担当のSPは、より高度な判断力と臨機応変な対応が求められるため、経験の浅い新人には務まらないとされています。
女性SPの必要性と役割:性別による能力差は?
小野田大臣と女性SPのツーショット写真に対し、SNS上では「女性トイレの警護に女性SPは必要」「やはり男性の方が良いのでは?」といった多様な意見が寄せられました。これに対し伊藤氏は、女性だけで大臣の警護チームが組まれることは過去に例がなく、男性SPも必ず配置されていると解説。その上で、特に女性大臣の場合、女性トイレなど特定の場面では女性SPの存在が不可欠であり、警護の手薄になる部分を補う重要な役割を担っていると強調します。
また、SPの能力における男女差については、「ほとんど差はない」との見解を示しています。仮に襲撃された際の制圧能力では男性SPに分があるかもしれませんが、警護活動の本来の目的は「どうやったら襲われないようにするか」であり、その予防的な活動において男女間の能力差は生じないといいます。女性大臣と女性SPの組み合わせが新鮮に映るのは、これからの時代における多様な役割と専門性が尊重される警護のあり方を象徴しているのかもしれません。
結論
小野田紀美大臣を警護する女性SPへの注目は、要人警護という特殊な世界への関心を高めるきっかけとなりました。元警視庁SPの専門家による解説は、SPの配置、育成、そして性別の役割分担に関する一般的な誤解を解き、その奥深い専門性を明らかにしました。警護の現場では、性別に関わらず高い専門性と経験が求められ、特に女性SPは特定の状況下で不可欠な存在として、要人保護に貢献しています。
参考文献
- J-CASTニュース. 「『強くてかっこいい』小野田紀美大臣警護の女性SP2名が話題…『高市首相のSP』と元SPが指摘」 (2023年11月24日公開).
https://news.yahoo.co.jp/articles/ffb6b50537594d150ab26f01fbd875dab440c9f0





