夜間頻尿を改善するには?サウナや高温の入浴が原因になることも

加齢とともに多くの人が直面する夜間頻尿は、睡眠の質を低下させ、日中の活動にも影響を及ぼす深刻な悩みです。この普遍的な問題に対し、千船病院副院長で泌尿器科医の樋口喜英氏は、意外な生活習慣、例えば長いサウナや高温の入浴が夜間頻尿の一因となりうると指摘します。今回は、吉本興業前会長で実業家の大﨑洋氏との対談を通じて、夜間頻尿の具体的な原因と、その対策について深掘りしていきます。

夜間頻尿の症状に困る男性のイメージ夜間頻尿の症状に困る男性のイメージ

実業家・大﨑洋氏の夜間頻尿体験談:島田紳助氏との共通の悩み

実業家である大﨑洋氏は、先日出版した著書『あの頃に戻りたい。そう思える今も人は幸せ』の最終章で、島田紳助氏と対談した際に夜間頻尿の話題で盛り上がったと語ります。当初30分程度の予定が、気付けば4時間半もの間、病気のこと、特に頻尿の悩みを共有し合ったそうです。大﨑氏自身、73歳で、島田氏も69歳。両氏とも年齢を重ねるにつれて夜間頻尿に悩まされるようになったと明かしています。

大﨑氏の具体的な経験としては、5、6年前から夜中に90分間隔で目が覚めてトイレに行くことが続き、熟睡できない日々を送っていました。この症状は次第に昼間にも及び、日中の頻尿もひどくなっていったといいます。

泌尿器科医が解説する夜間頻尿の主な要因

千船病院副院長であり泌尿器科医の樋口喜英氏は、大﨑氏のような頻尿の悩みは加齢とともに増加する一般的な症状であることを確認します。成人の夜間頻尿には複数の要因が絡み合っており、主に以下の3点が挙げられます。

  1. 抗利尿ホルモンの分泌減少: 加齢に伴い、夜間の尿量を調整する抗利尿ホルモンの分泌が減少することで、夜間の尿量が増加しやすくなります。
  2. 膀胱容量の減少: 前立腺肥大症過活動膀胱といった疾患が原因で、膀胱の容量が小さくなり、少量で尿意を感じやすくなることがあります。
  3. 睡眠障害: 睡眠の質が低下している場合も、尿意によって目覚めやすくなり、結果として夜間頻尿につながることがあります。

樋口医師は、生活習慣、特に飲酒習慣が夜間頻尿に影響を与える可能性についても言及しました。しかし、大﨑氏は「こう見えて、一切飲めないです」と述べ、飲酒は彼の頻尿の原因ではないことを示唆しました。

夜間頻尿への対策と専門家の視点

夜間頻尿の解消には、その原因を正確に把握し、適切な対策を講じることが不可欠です。樋口医師が指摘するように、長いサウナや高温の入浴といった特定の生活習慣が尿量を増加させ、夜間頻尿を引き起こす可能性もあります。これは、体内の水分バランスや血流に影響を与えるためと考えられます。

もし夜間頻尿の症状に悩んでいる場合は、自己判断せずに、まずは泌尿器科の専門医に相談することが最も重要です。専門医は、個々の症状や既往歴、生活習慣を詳しく問診し、前立腺肥大症過活動膀胱といった潜在的な疾患の有無を診断します。それに基づいて、適切な治療法や生活習慣の改善策を提案してくれるでしょう。

結論

夜間頻尿は加齢とともに多くの人が経験する一般的な症状ですが、その背後には様々な生理学的要因や生活習慣が隠されています。特に、抗利尿ホルモンの分泌減少、前立腺肥大症過活動膀胱による膀胱容量の減少、そして睡眠障害が主な原因として挙げられます。また、サウナや高温の入浴といった日常の習慣も夜間頻尿を悪化させる可能性があるため注意が必要です。快適な睡眠と質の高い生活を取り戻すためには、自身の症状を正しく理解し、専門家である泌尿器科医の診断とアドバイスを求めることが何よりも重要です。

参考文献