2025年11月中旬の夜空を見上げると、東の空にひときわ白く輝く明るい星が目に飛び込んできます。その圧倒的な輝きは、多くの人の好奇心を刺激するでしょう。この「明るい星」の正体は一体何なのでしょうか。その輝きから、まず間違いなく惑星であることが推測されます。そして、この時期の夜空の条件を満たすのは、主に木星と金星の二つに絞られます。日が落ちて完全に暗くなった空に輝くなら木星、夜明け前に見つけるなら金星である可能性が高いです。
この記事では、これら二つの惑星を見分ける方法、それぞれの明るさの理由、さらに、これらの惑星以外である可能性についても詳しく解説します。
「夜半の明星」木星:見つけ方と輝きの理由
木星は現在、夜の帳が下りた後、東の空に姿を現します。東京を例にとると、午後9時頃に昇り始め、夜が更けるにつれて高度を上げて堂々と輝き続けるため、晴れていれば見逃すことはないでしょう。現在の木星の明るさは約マイナス2.4等級と非常に鮮やかです。
この特別な明るさの理由は、木星が地球よりも外側の軌道を公転しており、まもなく地球が木星を追い越す位置関係になるためです。2026年1月10日には、木星が太陽と地球の間に位置する「衝(しょう)」を迎えます。衝の頃の木星は、地球との距離が最も近づき、太陽光を反射している面を正面から観測できるため、最も大きく明るく見えるのです。また、日没頃に東から昇り、日の出と共に西に沈むため、ほぼ一晩中夜空に輝き続けます。年末に向けてさらに存在感を増し、「クリスマスの星」として多くの人々に親しまれることでしょう。
「明けの明星」金星:早朝の空に輝く理由
夜明け前の金星は、その名にふさわしい「明けの明星」としてまばゆい輝きを放ちます。夜明け前の薄明かりの中、東の地平線または水平線のすぐ上に目を向けると、他に類を見ない一点の光に気づくはずです。白み始めた空で星を探すのは難しいものですが、金星は木星よりもはるかに明るい天体であり、地球から遠ざかっている現在でも約マイナス3.9等級という驚異的な明るさを保っています。そのため、早朝に東の地平線(水平線)のすぐ近くに明るい星が見えた場合、それはほぼ間違いなく金星であると言えます。
金星がこれほど明るく輝くのは、地球に最も近い惑星であることと、その厚い雲の層が太陽光を効率よく反射するためです。これらの要因により、金星は太陽系の惑星の中で地球から最も明るく見える惑星となっています。11月中は毎朝少しずつ高度を下げていき、月末には日の出の光の中に沈んでいくため、観測のチャンスは限られています。
夜空に輝く木星と金星のイメージ画像
2025年11月、その他の惑星観測情報
2025年11月の夜空で注目すべきは木星と金星だけではありません。9月21日に「衝」を迎えた土星も、今なお夜空で目を引く存在です。日が落ちてすぐに南東の空に姿を現すため、望遠鏡で象徴的な環を観察するには絶好の機会と言えるでしょう。現在の土星の環は、ほぼ真横から見える状態です。
東の空に見える明るい星が土星である可能性もゼロではありませんが、現在の土星の明るさは約1.0等級であり、木星や金星ほど際立った輝きではありません。
また、非常に明るい星とは言えませんが、11月中に観測できるかもしれないもう一つの惑星として水星の動きも把握しておくと良いでしょう。今月上旬まで夕方の南西の低空に見えていた水星は、月末には日の出前の南東の低空に姿を現します。さらに、南西の低空には火星も位置していますが、火星はさらに暗いため、肉眼での観測は難しいかもしれません。
結論として、夜の帳が下りた後に東の空に輝いている非常に明るい星は木星であり、夜明け前の東の空にまばゆい光を放っている星は金星であると判断できます。この機会に、ぜひ夜空を見上げて、それぞれの惑星の輝きをその目で確かめてみてください。





