海外コラボカフェの衝撃体験:日本の「がっかり」を超える美食と魅力

コラボカフェは、ファンにとって作品世界を体験できる特別な場所である一方、食事メニューのクオリティにがっかりさせられることも少なくありません。高額でありながら「美味しくない」「狭い」といった、いわゆる“逆三拍子”が揃ってしまうケースも散見され、多くのファンが複雑な思いを抱いています。しかし、日本を飛び出し、異国の地で体験したコラボカフェは、その認識を覆す驚きに満ちたものでした。

本稿では、10年以上にわたり様々なコラボカフェを巡ってきた筆者の経験を基に、日本のコラボカフェが抱える課題と、海外での美食体験を比較。文化や価値観の違いが、いかにコラボカフェのクオリティに影響を与えるかについて考察します。

日本のコラボカフェが抱える課題

長年「夢王国と眠れる100人の王子様」「アイドルマスター SideM」「メギド72」「名探偵コナン」といった多岐にわたるジャンルのコラボカフェを訪れてきましたが、正直なところ、その食事メニューのクオリティに満足することは稀でした。多くの場合、価格設定は高めであるにも関わらず、味は平凡で、店舗の座席間隔も狭く、快適とは言えない環境での食事が強いられることが少なくありません。

食事メニューのクオリティにがっかりさせられることが多い日本のコラボカフェに対し、海外では高額ながらも満足できる体験があることを示唆する写真食事メニューのクオリティにがっかりさせられることが多い日本のコラボカフェに対し、海外では高額ながらも満足できる体験があることを示唆する写真

こうした「高額」「不味い」「狭い」という逆三拍子が揃ってしまう現状は、日本のコラボカフェ業界が抱える構造的な課題を示していると言えるでしょう。ファンとしては、作品への愛着があるからこそ足を運ぶものの、食事の満足度が低いと、どうしても残念な気持ちが残ってしまいます。

海外コラボカフェの「美食」体験

そんな日本の状況を知る筆者にとって、今年、海外で体験したコラボカフェはまさに衝撃でした。特に中国で食べたコラボメニューのサンドイッチは、これまでのコラボカフェの常識を覆すほどの美味しさで、人生で食べたサンドイッチの中でも指折りの感動を覚えるほどでした。

なぜ日本のコラボカフェでは美食に巡り合うことが少ないのに、海外ではこのような体験ができたのでしょうか。その理由は、コラボレーションにおいて重視するポイントや、企画・運営の体系の違いにあると考えられます。海外では、キャラクターコンテンツと飲食体験の融合を、より高いレベルで追求している傾向が見受けられました。

香港での具体的な事例:「100%ドラえもん&フレンズ展」

筆者は、「100%ドラえもん&フレンズ展」というアジアで開催されたイベントを巡るため、香港、上海、タイ、広州の4都市を訪れました。その中で、2024年7月に香港で立ち寄ったコラボカフェは特に印象的でした。

香港では、イベント会場であるショッピングモール「K11」内にあるバーがコラボレーションの舞台となっていました。店内はラグジュアリーな雰囲気に包まれ、ピカピカに磨き上げられた食器やグラス類が眩しく、通常のコラボカフェとは一線を画す空間が広がっていました。店の入り口には、ハット姿のドラえもんとチャミーが寄り添う『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』のオブジェが飾られており、カフェのテーマとは直接関係ないにも関わらず、日本から訪れた筆者にとっては、温かく歓迎されているような喜びを感じさせてくれました。

この事例からも、海外のコラボカフェが単なるキャラクター展開に留まらず、店舗の雰囲気作りや料理の質といった総合的な顧客体験に力を入れていることが伺えます。

まとめ

日本のコラボカフェでは、時にそのクオリティにがっかりさせられることがありますが、海外のコラボカフェ、特に中国や香港での体験は、その常識を大きく覆すものでした。価格は日本と同様に高額であっても、食事の美味しさや店舗の雰囲気を含めた総合的な満足度は非常に高く、作品の世界観をより豊かに体験できる場として確立されています。

この違いは、コラボレーションに対するアプローチや価値観の差から生まれるものであり、海外のコラボカフェが「美食」という新たな価値を提供していることを示唆しています。日本のファンにとっても、もし海外を訪れる機会があれば、その土地ならではのコラボカフェに足を運び、驚きの体験をしてみてはいかがでしょうか。