疲れがたまり、朝に目が覚めても体が重い。休みの日はゴロゴロしてばかりいる……。「休み下手」だと生産性も落ちるばかり。令和のビジネスパーソンに必要なのは、戦略的に休んで心身を整えるスキルです。現役医師にしてベンチャー経営者が、自身も実践する効果的な休息法をまとめた『休養ベスト100』(加藤浩晃著、日経BP)から一部を抜粋してお届けします。
夜ベッドに横になってもなかなか眠れないと、焦りを感じることがあります。焦ることでかえって目がさえてしまい、ますます眠れなくなる、という経験は誰にでもあるかもしれません。
実は、眠れないときはベッドから出るということが、意外なことに休養の質を高める近道になります。
●疲れているのに眠れないことも
子どものころ、遠足の前日に興奮してなかなか寝付けなかったり、受験の前日に緊張して眠れなかったりした、という記憶がある人は多いでしょう。これは大人になってからも同じで、翌日に仕事で重要なプレゼンが控えているときなどは、夜に寝ようとしても目がさえてしまうものです。
また、やっかいなのは、疲れているはずなのにベッドに横になっても眠気がやってこない場合です。ヘトヘトになるまで働いて、「今すぐにでも眠りたい」と思っているのに、布団に入ってからも仕事のあれこれが気になり、目がさえたままということがあります。プライベートでも何か気がかりなことがあると、夜もなかなか眠りにつけません。
このようなときは、いったんベッドから出るのが正解です。眠れないときはベッドから出て、眠気がくるまで別の場所でリラックスするのが効果的であり、睡眠療法の基本です。これは「刺激制御法」と呼ばれています。
具体的には、以下のような手順になります。ベッドから出て、できれば寝室ではないところで過ごす照明を暗めにしたリビングのソファなどでリラックスするスマホやテレビはなるべく見ない眠くなったら寝室のベッドに戻る。それでも眠れなかったら、またベッドから出て、同じことを繰り返す