漫画家たつき諒氏が自身の作品で示唆した「2025年7月5日の大災害説」が、国内外で注目を集めている。特に海外メディアがこの予言説を詳細に報じ始めており、日本国内の関心も再び高まっている。
CNNの報道内容と「私が見た未来」の予言
米CNNは先日、公式サイトで「あるマンガが日本で巨大地震の恐怖を引き起こしている(The manga that’s sparking fears of a megaquake in Japan)」と題し、たつき諒氏の「私が見た未来 完全版」で示唆された7月5日の大災害説を詳しく報じた。記事では、女性記者による日本からの動画リポート形式で、作品中の予知夢として描かれた「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)した」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せ、その津波の高さは東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波」「その災難が起こるのは2025年7月」といった内容が紹介された。
漫画家たつき諒「私が見た未来 完全版」の表紙。2025年7月5日の大災害予言に関連する書影。
海外での拡散と影響
この説は中国や香港でも大きく拡散しており、東日本大震災や津波の映像とともに報道されたCNNの記事がその動きを加速させた側面もある。特に香港では、有名な風水師が日本での大地震を予言したことも手伝い、一部の旅行者の間で不安が広がり、香港からの訪日客が急減するといった社会的な影響も報じられている。
日本国内の反応と科学的視点
日本国内でも、特にインターネット上を中心にこの説への不安や関心が見られる。その背景には、たつき氏が1999年の著作で2011年の東日本大震災を「的中させた」と話題になった経緯がある。これは、予言説が単なる噂として片付けられない一因となっている。一方で、日本は地震が多く毎日どこかで地震が発生しているという日常や、政府が将来的な南海トラフ巨大地震のリスクを警告していることと関連付けて語られることもある。しかし、科学的に地震の正確な日時や場所を予測することは不可能であり、この点が漫画に基づいた予言説とは性質が異なる点を理解する必要がある。英公共放送BBCも、最近の鹿児島トカラ列島での地震頻発の報道の中で、この予言説に触れ、日本国内の不安に言及している。
「7月5日の大災害説」は、一つの漫画作品から海外メディアやSNSを通じて広がり、一部で社会的な影響も生んでいる現象と言える。科学的根拠はないものの、過去の出来事や人々の防災意識と結びつき、注目度を高めている現状が伺える。