鶴保ショック
8日に和歌山市で飛び出した自民党の鶴保参議院予算委員長の失言が自公与党にボディブローのようにきいているようだ。11日になって辞任を表明したが、その後の不手際も含めて「鶴保ショックとして記憶される」との声も出てきている。
鶴保氏は8日の演説で、能登半島地震の被災者が居住する自治体以外でも住民票の写しを取得できるようになったことに触れ、「運のいいことに能登で地震があった。緊急避難的だが金沢にいても輪島の住民票が取れるようになっていって“やればできるじゃないか”という話をした」などと発言。その後、この発言を陳謝して撤回したが、その際の態度が不貞腐れたように見えたということで炎上に近い状況に至っている。
自民党の森山裕幹事長は鶴保氏に電話し、厳重注意した。
厳重注意のカラクリ
「厳重注意という言葉は物々しいですが、結局は何もしていないに等しい。参院選中ということもあって鶴保氏は除名すべしとの声もあがっていました。その後、野党も反対しないことを前提に議員辞職勧告に持っていくべきとの声も。鶴保氏本人は謝罪会見の際に議員辞職や離党の可能性を問われて“そこまで考えたことないですよ”と薄ら笑いを浮かべていました。その時の映像が失言時と絡めて様々なメディアで報じられ、自公にはボディブローのようにきいてきています。失言もさることながら、謝罪会見でのこの表情のほうがより印象が悪い、大失敗と言えそうですね」
と、政治部デスク。昨年の衆院選では裏金問題に関与して自民党から公認されなかった候補者が代表を務める政党支部に党本部が選挙の公示後に2000万円を支給していたことが報じられ、自公与党の勢いをそぐことにつながった。
「森山氏は“党勢拡大のための活動費として支給したものだ。候補者に支給したものではない”と支払いを認めました。政治とカネの問題が選挙の焦点となっていた中で想定外の悪手と言われましたが、今回の鶴保発言とその後の対応はそれ以上のショックを与党に与えているようです」(同)