韓国・仁川市にある韓定食ビュッフェを訪れた女性客が、「食べ過ぎ」を理由に店主から叱責され、最終的に2人分の料金を支払う事態が発生しました。この出来事がSNSに投稿されると、インターネット上で「ビュッフェにおける常識」や「客への対応」について、激しい論争を巻き起こしています。
仁川の韓定食ビュッフェで起きたトラブルの経緯
女性客は最近、各地の韓定食ビュッフェを巡る中で、仁川市中区の店舗を訪れました。この店は1食8000ウォン(約860円)で韓定食を提供しており、副菜やビビンバ用の具材、炒め物など多様な料理が用意されていました。女性は異なる味付けの料理を楽しむため、料理ごとに皿を替え、最終的に10枚以上の皿を使用したといいます。
食後、使用済みの皿を返却しようとした際、店主が積み上がった皿の山を見て「これ、何人分食べたの?」と質問。女性が「一人です」と答えると、店主は「皿が10枚以上なんておかしい」と強く指摘しました。さらに厨房のスタッフからも「8000ウォンでこんなに食べてどうするの」といった言葉が浴びせられたといいます。
韓国仁川の韓定食ビュッフェで客が使用した皿の山。食べ過ぎを指摘され料金トラブルとなった現場の様子。
女性は非常に屈辱的な思いを抱きながらも、「じゃあ、2人分払います」と申し出ました。しかし、レジでも店主は文句を言い続け、結局1万6000ウォン(2人分)を支払ったとのことです。女性はこの時のやり取りを撮影した動画と領収書をSNSに投稿し、事の顛末を公にしました。
ネット上で分かれる意見と「暗黙のルール」
このSNS投稿に対し、インターネット上では様々な意見が寄せられ、大きく肯定派と指摘派に分かれました。
肯定派の意見は、女性客を擁護するもので、「たくさん食べることがなぜ問題なのか?」「何皿使ったかの違いだけで、実際に食べた量に大差はないはず」「客に恥をかかせる店側の対応がおかしい」といった声が多数上がりました。ビュッフェ形式である以上、客は自由に食べられるべきだという考えが背景にあります。
一方、指摘派の意見としては、「8000ウォンの家庭式ビュッフェは、いわゆる『食べ放題』とは根本的に異なる」「名前はビュッフェでも、実際には常識的な量が前提とされている」「皿を再利用すべきだったのではないか」といった声が見られました。安価なビュッフェには「暗黙のルール」や「配慮」が必要だという見方です。
この論争に対し、問題の女性客は「このような店では、皿の数や食べる量に配慮すべきだという暗黙のルールがあることを知らなかった。今後はもう少し配慮する」とコメントし、自身も反省の意を示しています。
まとめ
今回の韓国・仁川市でのビュッフェを巡る騒動は、安価な料金で提供される外食サービスにおける「客側の期待」と「店側の提供理念」の間に生じる認識のズレを浮き彫りにしました。特に「ビュッフェ」という言葉が持つイメージと、実際のサービス内容や「常識的な利用範囲」とのギャップが、今回のトラブルを引き起こした要因と言えるでしょう。外食における「常識」や「配慮」について、改めて考えさせられる事例となりました。
参考文献:
- KOREA WAVE/AFPBB News