2025年10月22日のNHK「ニュース7」が、新内閣を組閣したばかりの高市早苗総理大臣と高市内閣に関する特集において、映像を意図的に傾ける「ダッチアングル」と呼ばれる構図を使用したとして、ジャーナリストの西村幸祐氏をはじめとする各界から批判が殺到しています。この報道手法が視聴者に不安感や否定的なイメージを与えるとの指摘があり、公共放送としてのNHKの公平性・中立性が問われる事態となっています。
西村幸祐氏が指摘する「ダッチアングル」報道
今回の議論の発端は、ジャーナリストの西村幸祐氏が10月23日に自身のX(旧Twitter)でNHKの報道姿勢を厳しく批判した投稿です。西村氏は、NHKが「超偏向・歪曲報道」を行い、就任直後の高市内閣を「意図的に受け手に不安感や否定的イメージを与える手口で攻撃した」と主張。特に、映像を水平ではなく角度をつけて提示する「ダッチアングル」が、プロパガンダ手法の一つであると指摘しました。この投稿は瞬く間に拡散され、大きな話題となっています。
「ダッチアングル」とは、映画やテレビの撮影技法の一つで、カメラを斜めに傾けて撮影することにより、画面に不安定さや緊張感、不安感を視聴者に与える効果があります。政治ジャーナリストは、この技法が「矮小化や非難したい対象に対して行われるもの」と説明しており、高市総理の会見映像に適用されたことに対し、意図的な印象操作ではないかという疑念が深まっています。
就任後初の会見に臨む高市早苗総理大臣。NHKの「ダッチアングル」報道が物議を醸している。
政界・国民からの強い反発と不信感
西村氏の指摘に対し、政界からも即座に反応が寄せられています。参政党代表の神谷宗幣氏は、「またこんなことをやっている。中に変なのがいるのか? またみんな受信料払わなくなってしまいますよ」とNHKの姿勢を非難。さらに、日本保守党の北村晴男氏や百田尚樹氏らも同様に不信感を示し、NHKへの批判を強めました。
インターネット上でも、国民の不快感は広がりを見せています。「全部映像が傾いている。NHKは、こんな卑怯なやり方で印象操作をしているんですね」「もう公共放送としての価値はないですね。NHKは縮小から廃止を」「これ相当やばいだろ。国会で徹底的に追及すべき。(中略)公共放送が聞いて呆れる。恥を知れ」といった声が多数上がっており、NHKの報道に対する厳しい目が向けられています。
公共放送NHKの「公平・中立」な報道姿勢への問い
NHKは民間放送ではなく、視聴者・国民から受信料によって支えられる「公共放送」です。その最大の使命は、視聴率や利益を追求するのではなく、公平・中立の立場から信頼できる情報を正確に伝えることにあります。今回の「ダッチアングル」使用が意図的なものであったか否かは不明ですが、このような形で疑念が持たれている以上、NHKは速やかにその意図と見解を説明する責務があります。
NHKの公式ホームページでは、会長の稲葉延雄氏が、SNSなどで真偽不明の情報が氾濫する中で、「私たちNHKは、視聴者・国民が『本当に知りたい』と思っていることに真正面から向き合い、それにお応えしていく責務があると考えています」と述べています。今回の「ダッチアングル」問題は、まさにこの「本当に知りたい」という国民の問いかけに対し、NHKがどのように応えるか、その真価が問われる事態と言えるでしょう。
結論
NHKによる高市総理への「ダッチアングル」報道は、ジャーナリストや政治家、そして一般国民から広範な批判を呼び、公共放送の公平性・中立性に対する深い不信感を引き起こしました。不安定な印象を与えるこの撮影技法が、意図的に特定の政治的メッセージを伝えようとしたのではないかという疑念は払拭されていません。NHKは、受信料によって成り立つ公共放送としての社会的責任を深く認識し、この問題に対して誠実かつ透明性のある説明を早急に行うことが強く求められています。
参考文献
- Yahoo!ニュース (2025年10月24日): 「高市早苗総理大臣、就任後初の会見(2025年10月21日)」 https://news.yahoo.co.jp/articles/77f728f1dd778bdf1015ea411d78a56f2256e345
- J-PRIME: 「NHKは意図的にやったのか?『不安や恐怖の印象を与える』“ダッチアングル”」 https://www.jprime.jp/articles/-/38888
- 西村幸祐氏 X (旧Twitter) 投稿 (2025年10月23日)
- NHK公式ホームページ: 会長メッセージ





