ドナルド・トランプ前大統領、高市早苗首相と初の首脳会談:安倍元首相が繋いだ日米の「絆」と未来

28日、奈良地裁で安倍晋三元首相(享年67)を銃撃し殺害した山上徹也被告(45)の初公判が開かれる中、故安倍元首相の“盟友”であるドナルド・トランプ米国前大統領は、高市早苗首相(64)と初の首脳会談に臨みました。2022年7月の暗殺事件から3年が経過したこの重要なタイミングで、山上被告が起訴内容を「すべて事実です」と認める一方で、トランプ前大統領と高市首相の会談は和やかな雰囲気の中でスタートしました。

日米新体制下の船出:トランプ前大統領が高市首相の就任を祝福

会談の冒頭、トランプ前大統領は「高市総理についての素晴らしい話を、よく(安倍氏から)聴いていた。(安倍氏も)今回の就任を喜んでいると思うし、私からも祝福したい」と述べ、安倍元首相の名前を出しながら、女性初の総理就任を祝福しました。これに対し、高市首相は喜びを示し、生前の安倍元首相との約束を果たすべく、その政治的遺志を継いでいく決意を改めて表明しました。安倍元首相の逝去直後、「安倍元首相の想いをしっかりと受け継いで、歩み続けていく。それを持って恩返ししたい」と涙ながらに語っていた高市首相にとって、このトランプ前大統領からの言葉は、日米関係における新たな船出を象徴するものであったと言えるでしょう。

「ドナルド」と「シンゾー」:安倍元首相とトランプ氏の深い信頼関係

トランプ前大統領と安倍元首相の間には、公私にわたる深い絆がありました。両者が互いを「ドナルド」「シンゾー」と呼び合う間柄であったことは広く知られています。2017年2月の初会談後、両首脳はゴルフを通じて意気投合し、以降、ゴルフは公式会談では築きにくい個人的な信頼関係を深める重要な場となりました。あるテレビ局政治部記者は、「公式なものだけでも5回は行っているのではないでしょうか。トランプ大統領が中国の習近平氏と会談を終えた直後、『習がいま帰った。シンゾー、君がいなくて寂しいよ』と安倍さんに電話をしたほどです。それだけトランプ大統領にとって安倍さんは外交における精神的な支えになっていたのでしょう」と語り、安倍元首相がトランプ前大統領にとって単なる外交パートナーを超えた存在であったことを強調しました。

ドナルド・トランプ前大統領が天皇陛下と握手する様子(宮内庁提供)ドナルド・トランプ前大統領が天皇陛下と握手する様子(宮内庁提供)

高市首相との会談前日、約6年ぶりに日本の地に降り立ったトランプ前大統領は天皇陛下と面会しました。この際、大統領が着用していたネクタイの色が、熱心なファンや国民の間で、その選択に込められたメッセージとして注目を集めました。

まとめ:安倍氏の遺志を継ぎ、未来の日米関係を築く

今回のトランプ前大統領と高市首相による日米首脳会談は、安倍元首相の遺志が新たな形で受け継がれ、日米同盟の絆が再確認される重要な機会となりました。トランプ前大統領による高市首相への祝福は、個人的な友情を超え、日本と米国の揺るぎない信頼関係を未来へと繋ぐメッセージとして、国際社会に大きな意味を持つことでしょう。今後の高市政権による外交手腕と日米関係のさらなる発展に注目が集まります。

参考資料

  • 宮内庁提供写真
  • テレビ局政治部記者への取材