高市早苗氏の深夜勉強会巡る波紋と「2日前通告ルール」論争:玉木雄一郎氏と山岸一生氏の応酬

自民党の高市早苗首相の午前3時の勉強会が波紋を広げ、国会での働き方について各所で議論が巻き起こっています。この問題は、野党からの質問通告の遅れと、質問事前通告に関する「2日前ルール」の有無を巡る論争へと発展し、国民民主党の玉木雄一郎代表と立憲民主党の山岸一生議員の間で活発な応酬が見られました。

玉木氏が主張する「2日前通告ルール」の背景

高市氏は、11月7日に開催された衆院予算委員会への質問回答が間に合わず、午前3時に出勤せざるを得なかったと説明しました。これに対し、野党からの質問事前通告に遅れがあったのではないかとの指摘が浮上しました。SNS上では「2日前の正午まで」という質問事前通告ルールが広まりましたが、衆院予算委員長の枝野幸男氏によると、今回の予算委員会は質疑時間や与野党間の配分比率などが事実上決まったのが開催2日前、正式決定は6日だったため、野党の質問通告が遅れたのはやむを得ない部分があったとされます。

この「質問通告」に関して、国民民主党の玉木雄一郎代表は『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演した際、「(国民民主党は)『2日前』を守っています」と明言しました。玉木氏はさらに、自身のX(旧Twitter)でも、国民民主党が「2日前ルールを守っている」とした記事を引用し、《代表質問も2日前通告ルールを守って質問しました。土日休日が入っていたので水曜日の質問でしたが前の週の金曜日に通告しました》と投稿し、同党の遵守姿勢を強調しました。

国民民主党・玉木雄一郎代表(2024年11月)国民民主党・玉木雄一郎代表(2024年11月)

山岸一生氏が玉木代表に疑問を投げかける

玉木代表の発言に対し、立憲民主党の山岸一生氏がSNS上で反応しました。山岸氏は《玉木さんのおっしゃる「2日前通告ルール」とは実在するのでしょうか。また、早くからセッティングされていた「代表質問」と、開催2日前にセッティングされた「予算委員会」とを混同するのは「意図的なミスリード」ではないでしょうか》と問いかけました。

これに対し玉木氏は、「2日前通告ルール」は実在すると主張し、立憲民主党のウェブサイトにも《「前々日など適切な日時までに」と明記しているはず》と投稿しました。この玉木氏の投稿を受け、山岸氏には「自分の党のルールさえ知らないのか」という批判が寄せられる事態となりました。

「2日前通告ルール」の実態と玉木氏の訂正

しかし、山岸氏はさらに反論。玉木氏が引用した記事に記載されている「与野党の申し合わせ」の存在を前提にしていたと述べ、玉木氏の回答は存在しない「与野党の申し合わせ」を「各党の内規」にすり替えていると指摘しました。

実際、「2日前ルール」は2014年に変更されており、「期限は設けず、できるだけ早く提出する」ことになっています。そのため、現状では「2日前ルール」という与野党間の正式な合意は存在しません。ただし、一部の党では内規として2日前提出を定めている場合もあります。玉木氏はこの点を誤認していた可能性が指摘されました。その後、玉木代表は11日の会見で、「与野党の申し合わせが上書きされていることを知らなかった」と発言し、自身の認識の誤りを認めました。

建設的な議論を求める声

玉木氏に一部落ち度があったとはいえ、その後も山岸氏が執拗に玉木氏に絡む姿勢を見せたことに対し、SNS上では「ただ文句言いたいだけに感じる」といった批判の声も上がっています。相手のミスを指摘することに終始するのではなく、国会の議論が円滑に進むための建設的な対話が求められています。

国民のために真摯かつ実りある議論が行われることが、国民の負託に応える政治の姿と言えるでしょう。