「もう鈴なんてクマに全然効かねぇよ」山のプロがお薦めしない「クマ除けアイテム」とは?


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● 「もう鈴なんて全然効かねぇよ」 クマに出会わないための有効な方法は?

 クマに出会わないための対策として、一般的には「クマ避け鈴をつける」「ラジオをかける」「音を立てて歩く」などが推奨されている。一方で、「音を出すと逆にクマを呼び寄せてしまう」という意見もあり、何が正解なのか混乱している人も多いのではないだろうか。

 そこで、群馬県奥利根で40年の猟歴をもつクマ撃ち猟師の高柳盛芳さん(通称モリさん)と、岩手県岩泉町で山菜採りを生業とする佐藤誠志さんに、現場で“本当に効く”クマ避け術を聞いた。

 クマ避け対策のテッパンといえば、やはり「鈴」だろう。

 鳴らすことで人の存在をクマに知らせ、先に気づいたクマの方から逃げてもらう――。それが本来の目的だ。音によって互いの距離を保つことができれば、遭遇を防ぐ可能性は高まる。

 しかし近年、山の現場では、その「鈴神話」が崩れつつある傾向も。

 「もう鈴なんて全然効かねぇよ。今のクマは慣れちまってる。鳴らしても、人が通り過ぎるまでじっと見てるだけだもの」と語るのはモリさん。代わりにモリさんが実践しているのは「爆竹」だ。

 「爆竹を鳴らすのが一番効くんだ。音の大きさと火薬の匂いにびっくりして逃げていくよ」

● 高音で遠くまで響く鈴であれば それなりに効果はある

 一方、佐藤さんの意見は少し違う。

 「確かに、場所によってはクマが鈴に慣れていることもあるけれど、高音で遠くまで響く鈴であればそれなりに効果はあると思っています」

● スプレーは効果大だが ぶっつけ本番はNG

 “山の達人”である二人が声を揃えて強調するのは、「熊撃退スプレー」の重要性だ。

 「スプレーは最高。絶対持つべきだよ」とモリさんは言う。ただし、持っているだけでは意味がない。

 「何回もシミュレーションしなきゃダメ。構え方やタイミングを体で覚えておかないと、いざというときに絶対使えない」と念を押す。効果的な距離は5m以内だ。

 クマは鼻が敏感なため、顔にスプレーを浴びると自分の顔をかきむしりながら逃げていくという。ただし、風向きによっては自分にかかってしまうおそれもあり、注意が必要だ。



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