節約系YouTuber「倹者の流儀」のくらま氏のもとに、30歳で貯金わずか5万円の無職、藤井さん(仮名)が「人生を立て直したい」と相談を寄せた。大学を4浪4留の末中退し、現在は単発の仕事で月3万~5万円の収入を得る彼。親からの仕送りで家賃9万円のマンションに住む現状から、資産7000万円を築いた専門家はどのように人生と資産形成の道を提示したのか。
藤井さん(仮名)が節約系YouTuber「倹者の流儀」のくらま氏と面談する様子。収入が少ない現状でも浪費はしていないと語った。
プロが語る藤井さんの「隠れたポテンシャル」
節約系YouTuber「倹者の流儀」として知られるくらま氏は、30歳で貯金わずか5万円、無職という厳しい現実に直面する藤井さん(仮名)の相談に応じた。対面での面談を通じて藤井さんの生活状況を詳しく聞き取ったくらま氏は、彼の語る「賞味期限切れタバスコしかなかった」といった自虐的な言葉とは裏腹に、意外な可能性を見出した。
「いや、ポテンシャルの塊ですよ!」くらま氏は断言する。「もし私が藤井さんの状況だったら、3000万円は貯められますね」。この言葉に、藤井さんは「100万円ですら想像できない」と驚きを隠せない様子だった。しかし、くらま氏は藤井さんの「強み」を生かし、現実的な目標としてまず1000万円を貯めるための具体的な道筋を示すことを約束した。
貯金5万円から1000万円へ:資産形成ロードマップの第一歩
くらま氏が藤井さんに提示した、資産1000万円達成に向けた「3つのロードマップ」。その最初の、そして最も重要だと位置付けられたステップは「プライドを捨てる」ことだった。
ステップ1:最も重要な「プライドを捨てる」こと
医学部受験に4度失敗し、入学した横浜国立大学も4年かけて中退。現在30歳で定職に就いていないという過去は、藤井さんの中に強い学歴コンプレックスと「なんとかして結果を出さなければ」という焦りを生んでいる。医師は諦めたものの、公認会計士のような難関国家資格取得を目指すといった、現状に見合わない高い目標設定も、その表れだろう。
学歴コンプレックスと周囲の目が生む「見栄とプライド」
くらま氏は、藤井さんが抱えるこうした感情が、親や友人、周囲の「こうあるべき」という期待や評価への恐れ、そして「見返してやりたい」という見栄やプライドから来ていると指摘する。
くらま氏自身も、無職時代に公務員試験浪人を経験した過去があり、不合格を繰り返すたびに「みんなからすごいと思われたい」という思いが強まり、かえって目標設定が高くなっていったという。これは、定職を持たない人が陥りがちな「無職あるある」の一つだと解説した。
現実を受け入れ、新たな一歩を踏み出すために
藤井さんには、横浜国立大学に合格するほどの優秀さがあることはくらま氏も認めている。しかし同時に、医学部に合格するほどのポテンシャルはなかったという現実を受け入れる勇気を持つことが重要だと説いた。過去の栄光や失敗、そして周囲の評価に囚われず、等身大の自分を認めること。そして、もし周囲の目が気になるならば、一旦そうした人々との距離を置くことも、前に進むためには有効な手段となり得ると助言を締めくくった。
人生立て直しの第一歩として提示された「プライドを捨てる」というアドバイスは、過去の失敗や周囲の評価に囚われず、現実の自分と向き合うことの重要性を示唆している。この自己受容こそが、貯金5万円から1000万円、そしてその先の資産形成へと繋がる最初の大きな壁となるだろう。