にっこりと微笑み合いながら、2人の首脳は挨拶を交わしたはずだった――。
日本初の女性総理と、大国を治め続ける大男。両者が「戦略的互恵関係を推進する」と宣言した10月31日の日中首脳会談からわずか1週間、急転直下の対立が始まった。
「戦艦を使ってですね、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」
就任後初の国会論戦に挑んでいた高市早苗首相は11月7日の衆院予算委員会で、立憲民主党の岡田克也氏の質問にそう答弁した。
存立危機事態について、現代中国が専門の城山英巳教授が解説する。
「存立危機事態とは日本が集団的自衛権を行使できる3つの要件の1つ。認定の基準について、これまで政府は明確にすることを避けてきました。『戦略的曖昧さ』を残すことで抑止力を働かせる意図があったからです。しかし高市首相は踏み込んだ。台湾有事が集団的自衛権行使の対象となると明確に答えたのです」
答弁後、政権は混乱気味だ。木原稔官房長官は「言わなくてもいいことを言ってしまって」と漏らしていたという。更に高市首相も周囲にこぼした。
「“なり得る”って言っただけだから……」
そう濁したが、実は、曖昧さが許せない彼女の気性も影響したようだ。高市首相の周辺が明かす。
《 この続き では、中国の対応が強硬化する背景、日本経済への影響、専門家が予測する今後の展開、日中友好議連会長の森山裕氏への直撃などを詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および11月20日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年11月27日号





