「ハンターの高齢化」「自然の減少」だけじゃない…「クマが都内にやってくる」もう一つの“意外な理由”とは


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 日本各地でクマによる被害が急増している。東京でも今年に入ってから目撃例が相次いでおり、「都民もクマ鈴が必要になる日が来る」という声すら聞かれる。

 自然解説者の佐々木洋氏は、クマ被害の増加について「ハンターの高齢化」「自然の減少」といった理由を挙げつつ、「もう一つの理由」があると語る。

 佐々木氏の著書『 新 都市動物たちの事件簿 』(時事通信社)より、都心部でクマの目撃例が増えている“意外な理由”を抜粋して紹介する。(全4回の2回目/ つづきを読む )

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“イヌの外飼い”の減少が一因に

 それはイヌを屋外で飼うことが減ったということである。

 かつては、庭で、放し飼いにされたり、長いリードにつながれたイヌをよく見かけた。そのため、郵便配達人が吠ほえられたり、セールスマンが怖い思いをしたりしたものだ。

 しかし、このごろは、都会ではもちろんのこと、山が近い場所に行っても、犬種の流行り廃りや、近所への迷惑を考え、室内で飼われているイヌがほとんどだ。近年の暑さからイヌを守るためもあるだろう。

 人間よりも嗅覚がはるかに優れているイヌは、野生動物の接近を早い段階で吠えて知らせてくれる。

 また、そのイヌの行動が野生動物の脅威となり、その場所を避けるようになることも多い。

 体力的に多くのイヌより優れていると思われるツキノワグマであっても、たいてい無用なトラブルは嫌う。ただ近ごろは、庭のイヌを襲うクマも現れており、予断を許さない状況にはなっている。

ツキノワグマが東京23区内にやってくる可能性も…

 しかし、その日は意外に近いかもしれないのだ。

 ほとんどの野生哺乳類は、川沿いに大きく移動する。山と東京都心部をつなぐ多摩川や荒川なども生き物の「幹線道路」になっている。実際にニホンジカが板橋区や北区の河川敷に現れたり、イノシシが世田谷区で目撃されたりもしている。

 このようにときどき大型獣がやってくることがあるということは、ツキノワグマも現れないとは言い切れないのだ。

 もしかしたらすでに来ているが、気づかれていないだけなのかもしれない。

「世田谷区の河川敷で土手を散歩中にツキノワグマを目撃」とか「大田区の河川敷でボールを追いかけて薮やぶに入った少年がツキノワグマに出くわす」などというニュースがいつ流れてきてもおかしくないのだ。

 もしそうなったら東京23区内で、クマ鈴をベルトやリュックサックにつけて歩く日がやってくるのかもしれない。

「都心で目撃例が増えた」のはクマだけじゃない…23区に住む「都会派フクロウ」が増えた納得の理由 へ続く

佐々木 洋/Webオリジナル(外部転載)



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