John Kruzel
[ワシントン 14日 ロイター] – 米連邦最高裁判所は14日、トランプ大統領による教育省の解体と職員の大量解雇を差し止める下級審の命令を取り消し、トランプ氏が教育行政において連邦政府の役割縮小を目指す取り組みを進めることを認める判断を示した。
東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は5月、トランプ氏の教育省解体命令の停止と、1400人近くに上る教育省職員の解雇撤回を命令。6月にはボストンの連邦控訴裁判所(高裁)もこの連邦地裁命令を支持した。
訴えを起こしたのは、野党民主党が主導する20州と首都ワシントンの司法長官や教職員組合などで、トランプ氏の方針は教育省の中核的な業務遂行能力を損なうと主張していた。
原告側は今回の最高裁の判断について「全ての子どもに公教育を提供するという米国の約束に壊滅的な打撃を与える」と批判。子どもたち全員が相応の公教育を受けられるようにするため、あらゆる法的選択肢を積極的に追求していくと述べた。
最高裁判事のうちリベラル派の3人は、この判断に反対した。
トランプ氏や与党共和党保守派らは、教育省は非効率化した官僚組織の典型で、教育行政は連邦政府よりも各州の役割の比重を高める必要があると強調している。
3月にはトランプ氏が学生ローンの所管を中小企業庁(SBA)に変更することなどを指示。マクマホン教育長官も教育省の職員を約半分に減らす計画を表明した。